加藤 朋代 ヴァイス・プレジデント, 信用リスク管理部 リスク・マネジメント部門, 東京

自分の適性を客観的に見極めることこそが、間違いのない会社選びに繋がるはずです。

大学では理工学部に所属しており、応用科学を専攻していました。大学院に進む道もありましたが、大学で学園祭の運営委員会に携わっていた時に、組織をマネジメントすることに興味が涌き、「研究も良いけどビジネスの世界を覗いてみたい」と考えるようになりました。ただ、金融業界への興味はほとんどありませんでした。自分の専攻分野から、「化学系のメーカーで研究職」と考え、化粧品メーカーなどを中心に就職活動をしていました。ところが不思議なもので、いろいろな企業の方とお話をしているうちに、「もしかしたら自分には外資系が向いているのでは」と感じ始めました。理屈ではなく直感的に、そう思い始めたのです。そんな折、ゴールドマン・サックスに内定をもらっていた大学の先輩から連絡をいただき、「ウチも外資系だよ」と声を掛けていただきました。それが当社との最初の接点でした。

初めてゴールドマン・サックスを訪れた時に一人の女性社員を紹介され、その女性社員との出会いが私の人生を変えたのです。「投資銀行とは何か」「ゴールドマン・サックスとはどんな会社か」。金融業界について何も知らなかった私にも理解できるように、じっくり時間をかけ、丁寧に説明してくれました。その女性の話はとても明確で、説得力がありました。そしてその態度は、自信に溢れていながら決して尊大ではありませんでした。話が終わるころには「是非、こういう人と一緒に働きたい」と考えていました。つまり私の場合、金融業界への興味というより、ゴールドマン・サックスに魅力を感じて入社を志望したのです。

現在、信用リスク管理部に所属し、ゴールドマン・サックスの中で起こる様々な取引に関する信用リスクに対する分析や判断をしています。信用リスクとは、取引相手の失敗によって会社が損失を被る可能性のことを指します。これをいかに適正なレベルで管理するかが私の仕事です。リスクの許容枠となる信用枠を設定するためには、分析力とマーケットの知識の更新が不可欠です。リスクをとりたい時には、担保や決済方法などを見直してリスクを軽減する方法を考えるのも重要な仕事の一部です。このバランスをとり、解決策を見出していくところに私たちの仕事の醍醐味があります。取引後は取引相手に与えられている信用枠に対して、私たちのシステムが算出した信用リスク量はどのくらいかを、あらゆる観点からモニタリングし報告します。

リスクをコントロールしながらお客様の依頼に応えるには、社内の関連部署との連携が欠かせません。リスク管理をアジア単位で行っている部分も多いため、香港やシンガポールの拠点にいる信用リスク管理部のチームと連携しモニタリングや報告をしています。そのための情報共有や連絡を、時にはテレビ電話も使いながら毎日行っています。各分野における高度な専門性を持つチームで働くことで、自己研鑽にもつながり、常に刺激をもらっています。私にとってチームワークとは、一つの目標に向かって部門やロケーションを超えて仕事を進めることです。様々な人たちと共に働くことでスムーズにことが運びバリューを出せた時には、その目標の大小に関わらず達成感が得られます。そこからまた信頼関係が生まれ、より良いチームワークが形成されます。こうして築いた信頼関係は最も大切な財産の一つです。

午前9時前には出社し、前日帰宅した後から朝までに届いたeメールに対応することから一日が始まります。朝のミーティングでは、部署内の予定や市場の情報など信用リスク管理に役立つ情報を共有するほか、他部門や海外オフィスとの打ち合わせでは新しい取引相手のチェックを入念に行います。午後のチームミーティングでは、取引の種類、取引相手の種類ごとに、チーム特有の情報や仕事の状況を報告します。午後6時半に子供を保育園に迎えにいき、寝かしつけるまではめまぐるしく過ごしています。その後必要に応じて海外のオフィスと電話をし、残りの仕事を片付けます。家からも仕事ができるインフラが十分に整っており、フレキシブルに働くことができます。海外からの同僚が来日した時や、プロジェクトが一段落した時など、「お疲れ様会」と称して外食や飲み会に行くこともあります。

キャリアを追求し、成果を出し続けるにためには、自身の健康や精神的な安定を保つことがとても大事です。疲れが出る前に早めに休息をとることを心がけてきましたが、子供が生まれてからはコントロールできないことも多く起こるようになりました。効率よく時間を使えるよう、自分が何に時間を取られているのかを分析し、可能な限り外部委託することによって休息を取る時間を確保するように努めています。周囲の理解を得ながら自分がやるべき事に集中して、周りも自分も納得できるような形で仕事と育児のバランスを取るよう心がけています。

就職活動中の後輩に、私がアドバイスしたいのは次の二つです。一つめは、企業分析の前に自己分析をしっかりすること。自分はどのような仕事をしたいのか、なぜそう思うのかをよく考えてください。自分の適性を客観的に見極めることこそが、間違いのない会社選びに繋がるはずです。二つめは、自分をじっくり見てくれる会社を選ぶこと。その点で、私にとってゴールドマン・サックス以上の会社はありませんでした。最初に会った女性社員との面会に加えて、面接の過程でも、私はゴールドマン・サックスの良さを痛感しました。

面接は、ゴールドマン・サックスの最も特徴的な採用プロセスです。私の場合、自分の志望した部門の全社員およそ20名と面接をしました。どの人も忙しい業務の合間を縫って、私という一学生のことを理解しようと、多大な時間を割いてくれたことには驚きました。同時に、仕事や会社の雰囲気についても丁寧な説明を受けました。4年生の時に、実際に入社する部署でインターンシップを経験したのですが、簡単なデータ入力であっても、先輩からは「このデータにどんな意味があるか考えながら作業をしなさい」と指導を受けました。私は理系で金融業界に疎かったため、この時の経験は入社後、とても役立ちました。

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