Search

夏休みの読書

ゴールドマン・サックスの経営陣が、夏休みにお勧めの本を紹介します。

 

居松 秀浩 (ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター)


16 AUG 2017

 

Creative Confidence  ―  トム・ケリー&デイヴィッド・ケリー

新しい価値を創造する、それこそ今、様々なところで求められていることではないでしょうか。例えば過去10年に起きたことは、想像を超えるものであったし、今後10年に起きることもおそらくこの10年の延長線上にはないのかもしれません。それは、いままでの既成概念の破壊からもたらされるのでしょうか。クリエイティブであることとは何なのか、そしてそれがどのように達成されるのか、この本はそのヒントになります。筆者によれば、人は皆クリエイティブタイプであって、クリエイティビティはゼロから造られるものではなく、各々が持っているものを再発見することによって生み出されるもの。ただし、その創造性の真の価値は、各々が恐れることなく自らの考えにそって勇敢に行動することによってもたらされる。大人になればなるほど、経験を積めば積むほど、先入観に捕われて、物事を新しい目で見ることができなくなってしまうとも言えるのかもしれません。たしかに子供のように純粋に簡単に一歩踏み出せば、面白い発見があるかもしれないのです。

 

梅谷 俊彦 (ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター)


15 AUG 2017


GRIT やり抜く力  ー  アンジェラ・ダックワース

正月休みに日本語で読んで感動した直後に、偶然、著者にお会いする機会があり、頂いた英語の原典を再度読みました。

マッキンゼーでの勤務を経て教師になり、更にペンシルバニア大学の心理学者になった著者が探求し続けたのは、「達成」や「成功」の真の要因は何か?という命題。激烈な競争倍率を誇る「米国陸軍士官学校(ウエストポイント)」に合格する最も優秀な学生が、入学直後に行われる「ビースト・バラックス」と呼ばれる過酷な基礎訓練で大量に脱落してしまうのは何故か?オリンピックで金メダルを取る選手の成功要因は「才能」か?Amazonを設立したジェフ・ベゾスは何故成功したか?

それは、単なる才能ではなく「GRIT(やり抜く力)である」と。GRITとは、Passion(情熱)とPerseverance(粘り強さ)を備え、断固たる強い決意を持つことであると著者は説きます。「才能」×「努力」=「スキル」であり、「スキル」×「努力」=「達成」であり、たとえ2倍の才能があっても、1/2の努力では、努力家には大きく差をつけられてしまうだろう。こういった研究成果を、興味深い事例を使って平易な文章で解説しており、自分の職場での組織運営、部下育成に留まらず、子育てや自らの人生に対する姿勢など多面的な示唆に富み、勇気づけられる著作です。

 

キャシー・松井 (ゴールドマン・サックス証券株式会社副会長)


10 AUG 2017


Pachinko  ー  Min Jin Lee

Too little has been written about the history of Korean immigrants in Japan, but Pachinko is a page-turning saga about four generations of a Korean family trying to assimilate in 20th century Japan. I got to know Min Jin when she was conducting her research in Tokyo, and this novel delves into the complex, and often misunderstood, history between Korea and Japan. At the same time, it’s a dramatic and poignant tale of an immigrant family’s multi-generational struggles with their identity—something I can relate to—which also has significant relevance in today’s political context


Half the Sky  ー  Nicholas Kristof and Sheryl Wudunn

While we’ve seen progress in narrowing the gender gap in developed nations, this book is a sobering reminder that there are still many parts of the developing world where oppression and violence against women and girls persists and is sadly ignored. As the mother of a daughter, the individual stories are somewhat difficult to read, but by proposing concrete solutions, Nick and Sheryl challenge each of us to wake up and take action. This book helped inspire me to support women’s education through the Asian University for Women (www.asian-university.org).

 

衣畑 秀樹 (ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社マネージング・ディレクター)


9 AUG 2017


ルービン回顧録  ー  ロバート・ルービン

筆者はゴールドマン・サックスの元共同CEOであり、私が所属している部署の前身であるリスク・アービトラージ部門を立ち上げた人物である。ゴールドマン・サックスを退社後、クリントン政権下で大統領経済諮問委員会の委員長、財務長官を歴任した。アジア危機中に当事者として困難な状況にいかに対処し判断したかの過程を臨場感溢れる形で描いている。不確実性が多い中での意思決定のプロセスが、ビジネスの世界でも政治の世界でも共通する部分が多く読んだ当時とても新鮮だった。金融危機というのはその局面によって形を変えて訪れるものであるが、どの局面においても冷静にその時最善と思われる判断を下していく様子が興味深い。

竜馬がゆく  ー  司馬遼太郎

言わずと知れた歴史小説だが読むたびに胸が熱くなる。幕末の揺れ動く時代に学歴も組織の後ろ盾も財力もない坂本龍馬が日本中を奔走し、明治維新への原動力となった様子を司馬遼太郎独特の語り口で物語は進む。龍馬の固定観念に囚われないビジネスセンスには学ぶところが多い。中岡慎太郎などそれほど有名ではないが重要な役割を果たした人物が多く登場するところも面白い。