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大学院時代は2年間休学し、レーシングヨットの研究開発に没頭。アメリカズカップに参加する日本艇の設計チームのブレインとして、数値流体力学を用いたシミュレーションなどを行っていました。レースですからもちろん優勝を目標にしていましたが、残念ながら準決勝敗退。この経験を通じ、自分意外の要因が成否に介在するテーマよりも、自分の力で結果を導ける金融トレーダーがいいと思い、この世界に入りました。数値をもとに分析・シミュレーションし、結果を導くと言う意味ではヨットもお金も一緒。対象物が違うだけで、この選択は私には何の不思議もありませんでした。
優勝したチームの船よりも日本艇のほうが、性能面では優れていたと思っていましたが、世界一にはなれなかった。「どんな世界であれNo.1になるには何か理由があるはず」と考え、だったら世界No.1の投資銀行の秘密は何だ、と考えたのがゴールドマン・サックスに興味を持ったきっかけです。
複雑難解なものを紐解いて行くのが好きで、入社時には「一番複雑な仕事をするチームに入れてほしい」と主張。転換社債のチームに配属になり、トレーダーとしてのキャリアが始まりました。転換社債は社債と株とデリバティブが複雑に絡み合ったような金融商品。まさに望むところでした。
入社8年目の現在もトレーダーの仕事を続けていますが、従来の転換社債に加え個別企業のデリバティブ(オプション)のトレーディングも兼任するようになりました。マイクロ・ボラティリティーと言い、よりリスク・リターンが大きい商品です。もともと転換社債はミクロな商品で、そこに昨今日本でも成長著しいデリバティブを融合させた、そんなイメージです。
個別企業のボラティリティー(価格変動率)推移カーブはセンシティブで、また変動要因も非常に複雑ですから、私もデリバティブについて改めて学び直さなければいけないと感じています。他のトレーダーから話を聞いたり専門書を読んだり、あるいは市場の過去のデータから逆算してより正しい結果を推論したりとさまざまな形で勉強しています。
私は午前7時ごろ出社していますが、9時に市場が開くまでに、その日のポジションについて「もしこう動いたらこうしよう」「こうなったらこれで良いのか」と何度も何度も自問自答を繰り返してトレーディングに備えます。理想的なポジションを常に追及していますが、それでも予測不可能なことが起こり、思い通りに動かないこともあります。決断力と不屈の精神、そして度胸が求められる仕事です。
しかもゴールドマン・サックスの場合、若いうちからリスク・テイクの裁量を相当任されます。おそらく業界水準と比較しても想像以上の取り方です。ただそのリスクをニューヨーク本社が納得すれば、キャリアに関係なく了承されます。若いうちからアグレッシブに活躍したい人には最高の環境だと思います。
毎日猛スピードで動く市場の中で、理論的思考をもって冷静に判断する頭脳、データをもとに将来を的確に分析する能力、大きなリスクを取っても平気で頑張れる度胸、そんな能力の持ち主であれば、きっとこの世界で活躍して行けると思います。
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