大使館レポート第23回ベネズエラ・ボリバル共和国 ご参考資料 2007.10

ベネズエラ・ボリバル共和国

ベネズエラ・ボリバル共和国

首都:
カラカス
実質GDP:
1,816億ドル(2006年)
経済成長率:
10.3%(2006年)
通貨:
ボリバル
面積:
912,050平方キロメートル(日本の約2.4倍)
人口:
26.6百万人(2005年、世銀)
言語:
スペイン語(公用語)

出所: 外務省、IMF

はじめに

今回は、南アメリカ大陸の北東に位置し、世界でも有数の産油国であるベネズエラ・ボリバル共和国の在日大使館を訪問しました。石油のもたらした富により、首都であるカラカスにはハイウェイや地下鉄などの都市交通が整備されており、近代的な高層ビルも立ち並んでいます。2002、2003年に経済は一時落ち込みましたが、2004年以降は、石油関連産業のみならず、建設や金融サービス等の非石油産業も順調に成長しています。 GDP成長率は2004年に年率18.3%を記録し、2006年も引き続き10.3%という高い成長率を記録しています。
ベネズエラでは空手や野球、盆栽、日本のマンガなどが流行しており、日本とのつながりが深い国です。一人当たりの日本食レストランの数が世界で2番目に多い国としても知られています。このレポートを通し、ベネズエラの魅力を感じて頂ければ幸いです。

Embassy

在日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館

今回訪れた在日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館は、中南米の多くの大使館がオフィスを構える西麻布にありました。大使館内にはベネズエラの雑誌や観光情報等が置いてありました。

Guest

石川 成幸大使

今回お話を伺ったのは、駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館の石川成幸大使です。
石川大使はベネズエラ生まれ、ベネズエラ育ちの日系二世です。英語、スペイン語、日本語が堪能な方です。駐日大使に就任されて2年目になるとのことでしたが、以前は商務担当官として勤務されていました。日本とベネズエラの意外な接点など興味深いお話をして頂きました。

Interview

資源によりもたらされる大きな富

ベネズエラは、世界有数の石油産出国でありOPEC*の加盟国です。同国の石油埋蔵量(確認加算埋蔵量ベース)は2006年末時点で797億バレル※と世界第6位であり、西半球における最大の産油国となっています。同国の輸出の約8割が石油および石油製品で占められており、石油関連産業が同国の経済を支えています。石油関連産業以外でも、天然ガスの確認埋蔵量は4.3兆立方メートル(2006年)※と世界第9位となっており、鉄鉱石、金、ダイヤモンドなども豊富に産出されています。 (※出所:在ベネズエラ日本国大使館)
2001年末のチャベス大統領の国家経済の根幹に関わる法律の制定に反対した民間によるゼネスト(全国規模で行われる大規模のストライキ)や翌年の政変などにより、同国の経済は一時落ち込みました。

ベネズエラの首都 カラカス

しかし、2004年以降は政治の安定化に伴う石油関連産業の回復に加え、建設や金融サービスなど、非石油産業の順調な成長により、2006年のGDP成長率は中国とほぼ同水準である10.3%を記録しています。

【グラフ】ベネズエラのGDP成長率

*OPECとは・・・

Organization of Petroleum Exporting Countries の略で、日本語では石油輸出国機構と訳されます。中東を中心とした産油国が集まり、1960年に設立されました。産油国側の利益を守る目的で、生産量や価格の調整をするための役割を果たしています。2006年12月現在のOPEC加盟国の原油生産量は世界の約4割を占めています。
OPEC加盟国:サウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、カタール、ベネズエラ等

石油だけではないベネズエラの産業

ベネズエラは石油の産出国として有名で、石油の輸出が経済を支えているというイメージが強いかと思います。しかし、2006年の業種別GDP構成比を見ると石油の寄与は14%にとどまっており、石油以外の製造業、商業、金融等の産業が占める割合が増しています。また、非石油産業のGDPの推移は、2004年以降、石油産業の成長が鈍化する中、10%を上回る成長率を記録しており、その存在感が増しています。その中でも特に建設業が活発になってきています。生活の基盤となる設備(インフラストラクチャー)である道路、鉄道や発電施設の建設が盛んに行われています。また、貧困層のために住宅を建設し、国全体の発展を目指しているとのことです。

【グラフ】業種別GDP構成比(2006年)

意外と知られていない豊富な観光資源

ベネズエラの変化に富んだ豊かな自然が、この国の重要な観光資源となっています。平原、サバンナ、砂漠、山脈、美しい海など非常に資源が豊富です。それに加えて、ベネズエラの人々は訪れる人をいつも暖かく迎え入れてくれるそうです。ベネズエラではこの美しい自然を守るため、国土の16%に当たる地域を国立公園等として保護地区に指定しています。また、ユネスコ世界遺産に指定された「カナイマ国立公園」、「コロ市街とラ・ベラ港」、「カラカスの大学都市」はベネズエラが世界に誇る観光資源です。
ギアナ高地にある「カナイマ国立公園」には、「テプイ」と呼ばれる世界で唯一のテーブルマウンテン(頂上が平らでテーブル状に見える高地)があります。様々な形をした「テプイ」には、世界最大落差(978メートル)を誇るエンジェルの滝を含め多くの滝があります。この他にも、海岸地域ではカリブ海に面しており、美しいビーチを満喫したり、平原地帯において野生の動植物を観察することもできます。

エンジェルの滝、テプイ、カリブ海

日本との意外なつながり

ベネズエラでは日本の伝統武道、特に空手の人気は高く、国民の多くが空手を学んでいます。全国に約4,000もの道場があるそうです。2006年にフィンランドで開催された第18回世界空手道選手権大会の型の部において、ベネズエラのアントニオ・デリアス選手が第3位に入賞しています。
また、盆栽や生け花の連盟もあるとのことでした。それ以外では、日本のマンガがとても人気があり、日本アニメ専門のチャンネルをはじめ、多数のテレビ局で日本のアニメを毎日のように放映しています。ベネズエラの子供たちは日本のアニメを見て育ったと言っても過言ではないそうです。
ベネズエラには2006年時点で約25社の日本企業が進出しています。主な企業としては、三菱商事、三井物産、丸紅、帝国石油などの石油に関わる企業の他、トヨタ自動車や三菱自動車などの自動車関連企業があげられます。また、ベネズエラはフランスに続く一人当たりの日本食レストランが世界で2番目に多い国としても知られています。同国は様々な点で日本との関わりが深い国です。

一口メモ:「野球」

カブレラ選手

ベネズエラで最も人気の高いスポーツは野球です。球場や路地などで大人や子供たちが野球を楽しんでいる姿を良く見かけます。ベネズエラにもプロ・リーグがあり、レベルが非常に高くアメリカの大リーグや日本のプロ野球球団に多数の選手を輩出しています。
その中でも、ツインズのサンタナ選手やかつて西武に所属していたカブレラ選手が有名です。「ベネズエラで有名な日本人は?」という問いかけに対し、野茂、イチロー、松坂など野球選手の名前がはじめにあがるとのことでした。

ベネズエラ・ボリバル共和国大使

インタビューを終えて・・・

ベネズエラは経済成長にフォーカスしているだけではなく、国内産業を強化し、雇用創出にも力を入れているとのことでした。社会的な面の発展も目指している国であるとの印象を受けました。

(このインタビューは2007年10月10日に取材したものです。)

ベネズエラ大使館で仕入れたちょっと良い話 −ベネズエラ産高級カカオ−

ベネズエラ産のカカオは主に高級なチョコレート製品の原料として使われています。このカカオは特別な香りと風味を持っているとされており、市場では値段を見積もることができないほど高価であるといわれています。この香り豊かなカカオは多くの料理や食品にも使用されており、特に「カカオ・クリオーロ」という品種は格別な香りと味があると評価されています。このカカオを原料として使うと、独特の風味が出て非常に美味しくなるとのことです。良質のカカオはダークチョコレートを作る材料としてよく使われており、日本の製菓業大手であるロッテや明治製菓などもベネズエラ産のカカオを風味付けとして使用しているとのことでした。

カカオの実、カカオ畑

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