大使館レポート第22回エジプト・アラブ共和国 ご参考資料 2007.09

エジプト・アラブ共和国

エジプト・アラブ共和国

首都:
カイロ
実質GDP:
893.36億ドル
経済成長率:
7.1%(2007年予想)
通貨:
エジプト・ポンド
面積:
約100万平方キロメートル(日本の約2.6倍)
人口:
7,257万人(2006年人口調査、但し在外エジプト人は除く)
言語:
アラビア語

出所: 外務省、IMF、世界銀行

はじめに

今回は、アフリカ、中東、ヨーロッパが交わる地に位置し、ピラミッドや古代都市で有名な駐日エジプト・アラブ共和国大使館を訪問しました。エジプトは観光業、石油輸出、運河(スエズ運河)通行料、出稼ぎ外貨送金が主な収入源となっています。2006年の経済成長率は年率6.7%と、2002年の2倍以上の成長率となっています。FDI(海外直接投資)も堅調に伸びており、先進国のみならず中国、インド、トルコなどの新成長国からも資金が流入しています。エジプトは、大きな貿易収支赤字を抱えていましたが、観光客の増加、スエズ運河通航量の増加などにより、貿易収支が改善し、国際収支も黒字を継続して産み出すようになっています。このレポートを通し、エジプトのさらなる成長の可能性を感じていただけたら幸いです。

Embassy

駐日エジプト・アラブ共和国大使館

今回訪れた駐日エジプト・アラブ共和国大使館は、代官山駅から徒歩5分ほどの大使館が多く点在する目黒区青葉台に立地しています。旧山手通り沿いの玄関にはエジプトを象徴するスフィンクス(ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在)の石造が置かれています。

Guest

アブデルナーセル大使・リファイさん

今回お話を伺ったのは、駐日エジプト・アラブ共和国大使館のワリード・アブデルナーセル大使と二等書記官のアムル・リファイさんです。アブデルナーセル大使は2007年9月に着任されたばかりとのことですが今回のインタビューに大変ご協力頂きました。リファイさんはいかにエジプトの経済発展が目覚しいか、また日本とエジプト人の気質や文化の違いなどについてもお話頂きました。

Interview

順調な成長をつづけるエジプト

エジプト・アラブ共和国は、2000年に入り一時景気が低下傾向となりました。2001年の世界同時多発テロによる観光収入の減少もこれを助長しました。しかし、エジプト政府のマクロ経済安定化に向けた改革、特に2003年1月の変動相場制移行などの金融政策が、GDP成長率や国際収支の改善、外貨準備高の増加に表れてきています。当国のGDP成長率は、2002年は年率3.2%であったのもが2006年には6.8%と2倍以上の速さで成長しています。また、海外直接投資による資金流入は2003-2004年にかけては4.1億米ドルであったものが、2006-2007年には112億米ドルと、約28倍もの資金が海外からエジプトに流入しています。それに加えて、経済危機などに備えるためにも必要な外貨準備高も、当国は2007年時点で296億米ドルと2002年時点のほぼ倍の金額を保有しています。

エジプト・アラブ共和国は2003年に通貨を変動相場制に移行したことを期に経済成長率が著しく改善しています。

【グラフ】エジプトのGDP成長率

2003-2004年には4億米ドルであったFDI(海外直接投資額)が、2006-2007年にはその約28倍にあたる112億ドルにまで成長しています。

【グラフ】FDI(海外直接投資)の推移

経済を支えるエネルギー輸出産業

エジプト・アラブ共和国はかつては農産物が輸出の主力でしたが、1976年に石油の輸出余力が生じて以来、石油・石油製品の輸出総額に占める割合は年々増大しています。2003年7月にはヨルダンとのガス・パイプラインが開通し、欧州諸国等への液化天然ガス輸出も2004年11月から開始され、石油に代わる新たな外貨収入獲得源として大きな期待が寄せられています。

ガス油田

2003-2004年には4億米ドルであったFDI(海外直接投資額)が、2006-2007年にはその約28倍にあたる112億ドルにまで成長しています。

【グラフ】業種別GDP構成比(2006年)

ピラミッドなどの豊富な観光資源を活かす

アブ・シンベル内の壁画エジプト・アラブ共和国内の6ヶ所が世界遺産に登録をされています。ピラミッドで知られる「メンフィスとその墓地遺跡:ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」や「古代都市テーベとその墓地遺跡」などが有名です。エジプトを訪れる外国人観光客は、これまで世界同時多発テロ、イラク戦争など度重なる事件に影響を受けながらも、全体としては増加しています。国別にはイタリア人やドイツ人が多く、日本人は年間10万人もの人々がエジプトを訪れています。日本からの直行便は週5本しか運行しておらず、繁忙期には予約がなかなか取れない状況とのことです。特に成田発の便を増やすべく、努力しているとのことでした。エジプト観光省は90年代後半以降、紅海・シナイ半島のリゾート開発及びホテルの客室数増加に力を入れています。また、欧米のテレビ局を通じて紅海のプロモーションCMを放映するなど、従来のピラミッド・遺跡巡りとは異なる、新たな観光ニーズの発掘にも取り組んでいます。

ピラミッド・ルクソール神殿

ラマダン (アラビア語)

モスクエジプト・アラブ共和国の人口の約90%がイスラム教徒です。イスラム暦第9月(2007年は9月13日から10月12日まで)をラマダンと呼んでいます。このラマダンにあたるこの約1ヶ月間、イスラム教徒は朝5時から夕方5時まで、断食・禁欲をしなければなりません。タバコだけでなく香料も日中は断つそうです。インタビューに伺った9月末はちょうど1年に一度のラマダン月であり、食事や紅茶などの飲み物は日中控えているとお聞きしました。断食する意味は「神様のいいつけをちゃんと守っている」という証拠だからとのことです。この断食はイスラム教徒にとって大事な義務で、この1ヶ月間は、とりわけ神様のことを思う期間とのことです。

一口メモ:「アラビア語とは」

エジプト・アラブ共和国の公用語はアラビア語です。アラビア語とは世界の言語の中でも大変広い地域で話されている言語の一つで(中図参照)、文語である「フスハー」(正則アラビア語)と口語の「アーンミーヤ」があります。アラビア語は、右から左へと読み、それぞれが左右の文字と繋がっていくので、蛇のようにも見えます。(左図参照)アラビア語を起源とする言葉にコーヒー、ラケット、シャーベットなどがあります。

アラビア語の看板、アラビア語が公用語の国・地域、アラビア語を起源とする語彙

インタビューを終えて・・・

駐日エジプト・アラブ大使館を訪問し、お会いしたエジプトの方々は皆とてもフレンドリーでエネルギッシュな方々でした。エジプトへの投資を好機ととらえる企業が多く存在し、海外直接投資が年々増加しています。また、2002年以降、当国の経済が堅調に推移していることなどからも、今後の更なる成長が期待できる国であると感じました。

(このインタビューは2007年9月21日に取材したものです。)

エジプト・アラブ大使館で仕入れたちょっと良い話 −エジプト料理−

エジプトの料理は基本的に肉料理が多いとのことですが、イスラム教徒が多いことから豚肉料理はありません。エジプト人は鳩をよく食べるそうで、エジプトのケンタッキーフライドチキンには“ピジョン”というメニューがあるそうです。伝統的な鳩料理である「ハマム・マッハシ」の他、おなじみのモロヘイヤスープ、その他、ひよこ豆やレンズ豆、マカロニとご飯にトマトソースをかけ、混ぜながら食べる「コシャリ」などがエジプトの伝統料理としてあげられます。また、シシカバブやクスクスなどの地中海の料理も食べられているそうです。

ハマム・マッハシ&モロヘイヤスープ

シシカバブ&コシャリ

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