今回は、本シリーズ番外編の第2弾として、第3回のニュースレター(2005年11月配信)においてインタビューさせて頂いたブルガリア大使館を再訪問しました。ブルガリアは、今年1月にルーマニアと共にEU(欧州連合)加盟を果たし、EUという約5億人の巨大な消費市場へのアクセスが付与されたことで、今後の経済成長の展開に注目が集まっています。加盟により新たなステージを迎えたブルガリアは、「未来に花咲く新成長国」の一角を象徴し、大使館より頂いた最新の情報をご報告したいと思います。
私たちブルガリア人にとって、EU加盟は念願とも言うべき重要なプロジェクトであり、今回の正式加盟を国民は心より喜んでいます。加盟までの道のりには、多くの政治家、各分野の専門家、市民社会の代表者が力を尽くしました。実際、人口の7割以上が加盟を積極的に支持しています。この加盟は、我が国の政治、経済の改革が成功したことを意味すると考えています。
EU加盟は、ブルガリアにより多くのチャンスを与えてくれると思いますが、一方で新たな責任を負うとともに様々な課題に挑戦していくことになると思います。13世紀以上の歴史を持つブルガリアは、ヨーロッパで最も古い国の1つであり、ヨーロッパ、中東そしてカスピ海沿岸の地域が交差する経済的にも重要な場所に位置しています。そして古代文明の発祥地として、またキリル文字の生まれ故郷として、ブルガリアはヨーロッパに多くの新しい特色を加えることができると考えています。
ブルガリアって、どんな国だっけ?
ブルガリアは1350年以上の歴史を持つ、欧州の中でも古い国の1つです。日本においては、ブルガリア・ヨーグルト(明治乳業)や最近では琴欧州を通じて知名度が高まっています。農業国のイメージが先行していますが、IT(主にソフトウェア関連)産業が発達しており、労働人口に対するIT分野の労働者の比率は世界第2位を誇ります。著名な投資家、ジョージ・ソロスがブルガリアのソフトウェア会社、「RIRA」に投資していることでも有名です。(大使館レポート第3回ブルガリア参照)
欧州連合(EU)の概要 
〜欧州連合(EU)の現在〜
ブルガリアとルーマニアの加盟により、 欧州連合(EU)は加盟国27カ国、総人口約4億9000万人の更に巨大な政治・経済統合体となりました。世界貿易の19%を占め、世界の国内総生産(GDP)の約4分の1を占める経済規模を誇ると推定されています(欧州委員会より)。
〜EU加盟の重要性〜
EUに加盟することで、4億9000万人の巨大な消費市場へのアクセスが与えられることになります。貿易を例にとると、現在EU域内に加盟国間の国境は原則として存在せず、自由なモノとサービスの流れが保証されています。そのため、ブルガリアにおいて起業した企業は、EU27カ国全てにおいて、EU加盟国の事業とまったく同じ条件の下で、サービスを提供する自由を持つことになります。このような背景の中、ブルガリア等の新規加盟国に拠点を構える外国企業が今後増えることが想定され、更なる経済発展のエネルギーとなることでしょう。


前回インタビューにお越しいただいた時点から見ても、ブルガリア経済は力強く成長しています。2006年前半のGDP成長率は6.1%に達しています。失業率についても2006年8月には過去16年間で最も低い水準である8.74%となっており、EU全体の平均失業率8%(2006年7月時点)に近づいています。また、2006年1〜7月の外国投資による収益は、前年の同時期と比較すると、2倍程度になっており、経常収支の赤字の約8割をカバーしています。財政政策についても、慎重な対応を継続しており、財政黒字を達成しています。
私は、従来の二国間の関係だけでなく、日本とEUという包括的な協力関係を通して、今回のEU加盟が日本との友好関係を向上させてくれるものと考えています。最近では、日本から医療分野への投資が行われる中で病院が設立され、多くのブルガリア人医師が雇用されています。また、観光関連の分野には、引き続き力を入れており、沿岸部に様々なリゾート施設を建設しています。もちろん、こうした観光への投資は、日本だけでなく多くの国との関係を深めてくれるものと考えています。
一口メモ:「日本の医療法人によるブルガリアの進出」
徳洲会は日本全国各地で病院を運営する、世界第3位の規模を誇るとうたわれる医療法人グループです。そんな徳洲会は、昨年末、ブルガリアの首都ソフィアに東欧一の規模を誇る、10階建て、1016床の巨大病院、「徳洲会ソフィア病院」を開院しました。病院建設の投資額は1億ユーロ(約154億円)と推定されており、大使館関係者のお話によると、日本の法人による投資額としては現時点では最大規模を誇るそうです。投資の決め手となったのは、ブルガリア人の医療技術の高さであったとのこと。EU加盟を皮切りに、更なる日本企業によるブルガリアへの進出に期待が高まっています。

インタビューを終えて・・・
投信営業部 浦田 歩
ブルガリア大使館の訪問は2度目となりましたが、1年強の短い間に国が力強く成長している印象を受けました。ブルガリアのEU加盟は、「未来に花咲く新成長国」を象徴する、歴史的な出来事であったと思います。加盟を果たした今、インフラの整備、FDIの積極的な受入等を通じて、更なる成長を遂げると思われます。今後も多くの新成長国が明るいニュースで我々を賑わせてくれることを強く願っています。
(このインタビューは2007年1月25日に行われました。)
ブルガリアがEUに加盟したことを記念して、東京駅八重洲の地下街で写真展が開催されているとの情報をチュパロフさんからお聞きし、早速拝見させていただきました。
この写真展では、今回同時に加盟を果たしたルーマニアの写真も多数公開されていました。様々な種類の写真がありましたが、中でも歴史ある建造物がしっかりと保存され、今も人がそこで生活を営んでいるという点には感銘を受けました。また、建物だけでなく、自然の美しさにも驚かされました。インタビューにおいて、チュパロフさんが観光に力を入れているという話をされていましたが、思わず納得してしまいました。


前回ブルガリア大使館にお邪魔した際には、東京にも近々ブルガリア料理のレストランができるかもしれないとの話をいただいていました。そして、ついにレストランが開店したとのことで、東京汐留に昨年開店したブルガリア料理の専門店「SOFIA」を訪問致しました。
お料理は三品頂きましたが、野菜や香草がふんだんに使われており、素材の味が活かされた、全体的にヘルシーな印象を受けました。「ショプスカ・サラダ」はシレネと言う、ブルガリア産の珍しいチーズが使われており、爽やかなコクがありました。「タラトゥール」はヨーグルトをベースにした冷製スープですが、真夏の暑い日等にはぴったりのまろやかなお味でした。メインの「カヴァルマ」は豚肉を煮込んだオーブン料理で、見た目よりも断然あっさりしていて、とても美味しいお料理でした。汐留にお越しの際は、ぜひ一度お試しください。
SOFIA:03-3571-0141、取材協力:カレッタ汐留


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