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- 首都:
- ラバト
- GNI:
- 568億米ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 1.7%(2005年)
- 通貨:
- ディルハム
- 面積:
- 44.6万平方キロ
(日本の約1.2倍 西サハラ除く) - 人口:
- 3,324万人 (2006年7月)
- 言語:
- アラビア語、フランス語
出所:外務省、IMF、モロッコ大使館
第14回目となる大使館訪問シリーズでは、モロッコ王国の駐日大使館を訪問しました。モロッコは、第12回にご紹介したチュニジアと同様にアフリカ大陸の北に位置していますが、その国土は南北に長く、景観、気候の多様性に富んだ美しい国です。そして、地中海だけでなく、大西洋にも面していることから、漁業はもちろんのこと海洋における天然資源にも注目が集まっています。また、肥料などに使用されるリン鉱石の採掘量は世界第2位を誇っており、コバルト鉱など他の鉱物資源の産出量についても、世界トップクラスの水準にあります。モロッコについて、あまり経済的なイメージはないかもしれませんが、アフリカにおいてトップクラスの経済力を誇る有望な新成長国のひとつであり、今回のレポートでその胎動を感じていただければ幸いです。
今回訪れたモロッコ大使館は東京青山の閑静な住宅街の中に佇んでいます。近くには有名なブランドショップなども点在しており、少し歩くと賑やかな通りに出ますが、大使館の周りは静かで、その外観からは瀟洒な印象を受けました。
アイトタレブ−アリさんは、2006年に日本に赴任される前は、4年間におよぶ北京での駐在経験もあり、アジア地域に精通されています。
また、言語についても精通されており、モロッコで一般的に使用されるアラビア語、フランス語はもちろんのこと、英語やドイツ語、スペイン語なども使われた経験があり、まさに外交のエキスパートという印象を受けました。
インタビュー中も物腰柔らかく、大変ご丁寧に対応をいただきました。
1912年、モロッコは、国土の大部分がフランスの保護領となりましたが、1956年に独立を果たしました。経済においては、伝統的には皮革、繊維、化学関連といった分野が主要産業となっていました。特に化学産業においては、世界の埋蔵量の3分の2を占めるとも言われているリン鉱石を活用し、化学肥料やリン酸の生産を行っています。近年は、こうした従来の産業に加えて、機械、金属、エレクトロニクス産業、IT・通信関連といった産業も伸びています。
また、モロッコにおいては観光も重要な産業として位置づけられており、現在でも海外からの観光客は年間約600万人と非常に高い水準にありますが、この数値を1,000万人にまで引き上げるべく、観光関連のプロジェクトを進めています。
モロッコの航空産業は急速に発展しています。1950年代後半に、国営企業のロイヤル・エア・モロッコ社(Royal Air Maroc)が設立され、航空機のメンテナンスを主要事業としていましたが、これが現在の航空機の部品製造の基礎になりました。90年代後半には、航空産業は国の経済、雇用に大きな影響を与えるようになりました。部品製造を中心とした航空産業が伸びている背景としては、ボーイング、エアバスといった航空機メーカー同士の競争の激化により、部品メーカーへのコスト圧力が高まり、モロッコのような、比較的安価な労働力を確保できる新興国に進出が相次いでいます。特に、モロッコの労働市場は他国に比べ割安であるだけでなく、その技術力の高さや国民の勤勉さから、近年多くの外国企業が進出しています。
<ロイヤル・エア・モロッコ社>
ロイヤル・エア・モロッコ社は、1957年創業のモロッコの主要企業の一つです。 モロッコ政府は観光産業にも注力しており、2010年までに年間1000万人の旅行者を目指しています。旅客サービスの需要は更に高まると考えられ、ロイヤル・エア・モロッコ社の躍進は今後続くと考えられます。
海外からモロッコへの直接投資(FDI)が過去数年で6倍程度に拡大しています。こうした海外からの投資が促進された背景としては、国有企業の民営化が挙げられます。実際、フランスの巨大メディア企業ヴィヴェンディユニバーサルにより国営通信会社Maroc Telecomの買収が行われました。その他にも、観光業、不動産、保険業といった分野でも投資が活発化しています。また、欧州だけでなく、中東諸国も投資を行ってくれており、過去には建設業や観光業に投資は限られていました。しかし、現在では自動車、航空、IT、農業、通信産業にまで投資対象は広がっており、モロッコ経済の躍進を支えています。
日本企業の進出も徐々に始まっており、住友電工は自動車向けの電線製造の拠点を国内に構えています。その他にも矢崎総業がワイヤーハーネスの製造工場を構えています。しかし、日本企業の進出はまだ本格化しておらず、我が国としては更に多くの日本企業がモロッコに進出してくれることを期待しています。
モロッコでは、主要都市であるラバト、カサブランカ、タンジール、マラケシュにフリーゾーン(保税区)を設けています。このフリーゾーンにおいては、例えば事務所を平均的な市場価格の半分程度のコストで借りることができます。また、フリーゾーン内の事務所には、エアコンなどの空調設備やインターネットなどの通信網はもちろんのこと、衛星通信に関しても最適なものを選択できるようになっています。これ以外にも、モロッコ国内で雇用を行うことで、税金を軽減されるというメリットもあります。先ほど触れた矢崎総業は、このフリーゾーンを利用して投資を行っています。
私は日本に赴任したばかりですし、東京の様子しか分かりませんが、他の国の同じ規模の都市と比較しても、東京は非常にきれいな都市だと感じています。たくさんの公園が設置されていたり、地下鉄などの交通機関のシステムが洗練されているといった点に注目しています。先ほどもお話しましたが、我が国は観光産業に力を入れており、日本の皆様にも是非お越しいただきたいと思います。最近では、日本の女性歌手が写真集の撮影をモロッコで行っています。そうした写真撮影の舞台となるなど、景色が美しい場所がたくさんありますので、皆様にも気に入っていただけると思います。
一口メモ:「モロッコと日本の武道」
モロッコでは、日本の武道「空手」や「合気道」が盛んです。実際、今回インタビューをさせて頂いたアイトタレブーアリさんも合気道を嗜まれています。モロッコには合気道連盟があり、昨年はカサブランカにおいて日本との交流会が行われたとのことでした。また空手も盛んであり、日本の空手映画が人気を博していたこともあったようです。 また、モロッコではサッカーの人気が高く、モロッコで行われたハッサン2世杯に参加したことがある中田英寿選手が有名でした。このように日本の武道やサッカー選手が、モロッコと日本の交流において一役買っているようです。
モロッコはアフリカ大陸に位置していますが、経済面でもっとも結びつきの強いのは欧州連合(EU)です。例えば、我が国の貿易量の60〜65%は欧州諸国との間で行われています。先程もお話しましたが、企業によるモロッコ投資の決め手の一つが、比較的割安で且つ、優秀な労働力です。しかし、特に欧州企業の場合、同じEU圏内である、ハンガリー、スロバキア等の中・東欧諸国への投資が盛んに行われております。EUとの間のFTA(自由貿易協定)は2010年を目処に完全に効力が発生する予定のため、モロッコの優位性は今後高まると考えています。また、2012年を目処にアメリカとの自由貿易協定の効力が発生するため、アメリカとの経済的な結び付きも今後更に強まるでしょう。

インタビューを終えて・・・
チュニジア、南アフリカと続き、今回はアフリカ大陸3カ国目となるモロッコの在日大使館を訪問しました。欧州諸国との距離が近いことや、多様な文化を認め合うことができる国民性、東欧諸国にひけをとらない労働市場を誇ること等、独自の魅力と強さを持った新成長国の印象を受けました。今後は、アフリカ大陸、欧州、そしてアジアをも結ぶ重要なビジネス拠点として、更なる経済的発展の可能性があることを感じました。
今回は東京都内のモロッコ料理店、「ル マグレブ」(世田谷区・玉川)に伺いました。 インタビューにご協力いただいたヒシャムさんは、12年前に来日され、日本語も非常に堪能で、こちらのお店でシェフ兼オーナーを務められています。モロッコ料理について伺ったところ、肉や魚、野菜と一緒に食されるクスクスやタジンと呼ばれる鍋を使った料理が代表的とのことでした。クスクスは、地域によって組み合わされる食材が異なり、北の地域では魚がその他の地域では野菜やラム肉などと一緒に食されることが多いようです。また、非常にユニークなのが、タジンです。タジンとは、土鍋のことなのですが、蓋の形が円錐形をしたお洒落な土鍋です。
実は、この蓋の形にはモロッコならではの大きな意味があります。それは、砂漠地帯では水が大変貴重なため、材料から出る水分を循環させることで、水を使わなくても材料が煮えるように工夫された結果なのです。今回は、このタジンを使った料理「チキンタジン」とモロッコの春巻き「ブレワット」をいただきました。この春巻きには、牛挽肉やタマネギが包まれ、スパイスが混ぜてあるのですが、少し辛味があるものの、その辛味は非常にマイルドです。付け合せのソースも唐辛子をベースにしたものなのですが、それ程辛くはありませんでした。こうしたマイルドな味わいが、モロッコ料理のひとつの特徴なのではないかと思いました。


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