大使館レポート第2回ハンガリー共和国 ご参考資料 2005.10

ハンガリー共和国

ハンガリー共和国

首都:
ブダペスト
GDP:
1,092億ドル(2005年)
経済成長率:
4.1%(2005年)
通貨:
フォリント
面積:
9.3万平方キロメートル
(日本の約1/4)
人口:
約1,009万人(2005年)
言語:
ハンガリー語
国の花:
チューリップ

出所:外務省

はじめに

シリーズ第2回として、ポーランドに続き、中欧諸国のハンガリー大使館を訪問しました。大方のエコノミストの予想を上回るペースで経済成長を遂げている国でその成長ぶりには目を見張るものが多く、大型国営企業の民営化や良好なマクロ環境の改善、途絶えることのない海外からの直接投資など、今後の成長に期待が持てる国の一つです。

Embassy

今回訪れた駐日ハンガリー大使館事務所の入り口

ハンガリー大使館本館は、学生で賑わう東京三田のマンション一室にありますが、今回訪れた商務部は東京西麻布のマンションの一室にオフィス(写真右)を構えています。

商務部のオフィスの至る所に、ハンガリー製の磁器や壷などが展示されており、伝統あるハンガリー芸術の一端を垣間見ることができました。

Guest

ヴァールコニー・ガーボルさん 今回お話を伺ったのは、ハンガリー共和国大使館の投資・商務担当参事官のヴァールコニー・ガーボル(写真左)です。ヴァールコニーさんは、大使館で経済関連の業務を担当されています。 海外からハンガリーへの投資を促進するべく、多くの日本企業とも関係を築き、情報提供などを積極的に行われています。 日本への赴任は現在が2度目とのことで、1996年から2001年の間にも日本にいらっしゃいました。企業による訪問以外にも、日本政府の訪問も多いようです。

東京の本格派ハンガリー料理店「レストランジョルナイ」

ヴァールコニーさんは、ハンガリーや日本の経済だけでなく、世界の政治情勢から食文化にまで精通しておられ、言葉に至っては、なんと3ヵ国語(ハンガリー語、英語、日本語)を堪能に操ることができるという素晴らしい方でした。 東京での行き付けのレストランは、六本木の本格派ハンガリー料理店「レストランジョルナイ」(写真右)とのことでした。

Interview

まず経済についてですが、ハンガリーはどのように発展してきたのでしょうか。

かつて社会主義時代には、企業の99%が国営企業であり、主な貿易相手国もソビエトをはじめとした旧社会主義国が中心でした。当時、失業率はほぼ0%であり、インフレ率も低かったです。しかし、90年には、ほんの一秒足らずで社会主義体制が崩壊したと言っても過言ではない程、民主主義へと急激なスピードで移行しました。これほどハンガリー国民は民主主義、そして拡大欧州への復帰を強く願っていたのです。民主主義移行後は、高インフレ、高失業率に悩まされましたが、ハンガリーは中欧諸国の中ではFDI(海外からの直接投資) の最も盛んな国の一つであり、海外からの資金流入を受けて、経済は成長過程に入りました。そうした中で、多くの国営企業は急速に民営化され、多くの企業が効率的な経営を行うようになりました。貿易相手国を見ても、現在ではドイツ、イタリアなどのEU諸国が中心となっており、2004年5月にはEUに加盟しました。近年では、GDP成長率は4%台を維持しており、EU諸国平均の2%を大幅に上回っています。

ハンガリー経済の今後についてどのような発展をお考えでしょうか。

ポイントは、(1)海外からの投資(2)国営企業の民営化(3)インフラの整備の3つです。まず、海外からの投資は2005年も好調で、上半期は15億ユーロの投資が行われています。このペースを維持することができれば、年間金額としては過去最高の30億ユーロに達する見通しです。日本からの投資も多く、全体でも4、5位にランキングされており、最近ではブリヂストンが約2億ユーロの投資を決定しました。有名な日本の企業として、自動車会社のスズキがありますが、ハンガリー人の中にはスズキが自分の国の会社だと勘違いしている人がいるほどです。次に、国営企業の民営化も重要なポイントであり、航空会社やブダペスト空港、ハンガリー鉄道の民営化など、大規模な民営化プロジェクトが続いています。ハンガリーの株式市場はポーランド等と比べ発達が遅れていますが、今後はこのような大型案件により株式市場が活性化し、大きく成長すると考えられます。第3にインフラの整備が急激に進んでおり、経済の活性化に大きく寄与してくれると考えています。最近では日本の高度経済成長期と同様に高速道路の建設が急ピッチで行われています。これらのポイント以外には、新規ビジネスの育成も重要であり、将来的にはIT、バイオテクノロジーといった分野も強化していきたいと考えています。

一部の研究機関では、今後のハンガリーの経済成長について、EU先進国並みの経済規模になるまでに30〜40年かかると予測していますが、我々はもっと強気です。コ−カ・ヤーノシュ経済・交通大臣は、「今後16年の間に、ハンガリーの経済規模はオーストリアに匹敵するまでに成長する。」と公言しています。

ハンガリーの人々の特徴や国民性について教えてください。

私たちハンガリー人はヨーロッパの中でもかなり「ユニーク」な存在であると言えます。我々の祖先はアジア系とも考えられており、古くから「ハンガリー人は日本人の遠い親戚」だとも言われています。言語様式も日本語との共通点が多く、ハンガリーでは日本と同じように姓名の順番で名前を名乗ります。

ハンガリー人の特徴としては、悲観的な側面があることも挙げられます。また想像性豊かでもあり、ハンガリー人のノーベル賞受賞者は13人もいます。身近な所では、ルービック・キューブを発明したルビク・エルネーもハンガリー人です。日本ではピーター・フランクルがもっとも有名なハンガリー人だと思います。ヨーロッパによく見られる個人主義的な側面もあります。

また、ハンガリーで人気のあるスポーツはサッカーです。国民の殆どはサッカーを趣味としており、日本では会社の重役が接待などでゴルフを楽しむそうですが、ハンガリーではサッカーによる接待などもあるほどです。

ハンガリーの若者について教えてください。

今では、ハンガリーは国際化が大きく進み、海外文化の影響を強く受けているため、先進国の若者とそれ程大きな差はないと思います。特にドイツやアメリカの影響が強く、これらの国で見かける若者文化の多くをハンガリーで見ることができます。また、大学では経済、法律、医学などの学部が人気があり、これも先進国の若者とあまり変わらないのではないでしょうか。学生の中には、MBA(経営学修士)の獲得を目指してアメリカ留学を希望する人が大分増えました(過去においては、外国の大学への留学は法律で禁止されていました)。

ハンガリーの人々は、どのような資産運用を行っているのでしょうか。

90年代中盤、国債よりも8〜10%高い金利が受け取れる銀行債の購入が個人投資家の間で大流行しました。しかし、その後信用リスク不安が国中に広がる中で、多くの銀行が債務不履行に陥ってしまったため、国民の多くがリスクに対して過敏になってしまいました。今でも債務不履行により損失を被った国民による抗議活動が行われています。最近では、銀行預金が主流になっています。

では、最後に日本の皆様に向けてメッセージをお願いします。

現在、日本からは毎年10万人以上の方が訪れており、中欧では随一です。ハンガリーでは音楽関係の学校が整備されており、多くの日本人留学生も受け入れています。ハンガリーはヨーロッパの中でも特殊でエキゾチックな国で、ヨーロッパ文化も特有のハンガリー文化も両方堪能することができます。7〜8ヶ所の世界遺産を有しており、日本の皆様が大好きな温泉が至る場所にあります。ワインも有名で(少々アルコール度が強めではありますが)、食事も美味しいので、是非一度遊びにいらしてください。

投信営業部 木村総一

インタビューを終えて・・・
投信営業部 木村総一

今回のインタビューを通じて、ハンガリーの経済成長の強さをあらためて実感しました。次回のニュースレターにも是非ご期待ください。
(このインタビューは2005年10月13日に取材したものです。)

ハンガリー大使館で仕入れたちょっと良い話

ヴァールコニーさんは仕事の関係上、日本の財界、政界の方と食事をする機会が多く、日本で本格的ハンガリー料理を堪能できる「レストランジョルナイ」に頻繁に通われるとお聞きしたので、我々も行って参りました。場所は六本木ヒルズから徒歩5分。ジョルナイとは、明治時代から続く老舗の磁器ブランドで、ハンガリー人がもっとも愛しているブランドとのこと。また、ハンガリーでもっとも格式の高いレストラン「グンデル」でも、同じジョルナイ製の食器が使われています。ハンガリー料理は、フランス料理の影響が強く、見た目は豪華な西洋料理でしたが、どことなく懐かしさも感じられ、ハンガリーのユニークさを強調するものでした。

代表料理のグヤーシュ(野菜と肉を煮込んだスープ)、ハンガリーを代表する素材パプリカをふんだんに使ったチキンのソテー(写真右上)等、日本人に馴染みやすい味わいでした。また、ハンガリーは世界の隠れたワイナリーとも言われ、お国自慢の世界三大貴腐ワイン「トカイワイン」の最上級クラスもの(トカイ・エッセンシア;写真右下)等、日本ではなかなか手に入らない、通好みのお酒の品揃えも豊富でした。是非一度お試しください。

チキン・パプリカガルシュカ添え

最高級のトカイワイン

本資料は新成長国に関する情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社が作成したものであり、有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。

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