これから高度成長時代を迎える国は、どこだろう。
「BRICs+ネクスト11」完全ガイド
2005年12月、ゴールドマン・サックス経済調査部は、50年後の世界経済において、BRICs各国ほど甚大ではありませんが、非常に大きな影響力をもたらす潜在性を秘めた国々として、新たに11ヵ国を取り上げ、「ネクスト11(Next11)」と名付けました。
イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、ベトナム、メキシコから構成されるこれらの国々は、人口ランキングの高さや潜在的な経済規模の大きさという共通点を有する一方、地理的位置、経済や市場の発展水準、世界経済との統合度、人口の絶対水準などの面では、非常に雑多な国々から構成されていることが特徴です。
※以下は、ゴールドマン・サックス・グループ経済調査部「How solid are the BRICs?(2003年10月)」「More than an Acronym(2007年3月)」より当社が一部要約したものです。経済、市場等に関する予測は、高い不確実性を伴うものであり、大きく変動する可能性があります。本ページは情報の提供を目的とするものであり、当社及びゴールドマン・サックス経済調査部が、予測値の達成を保証するものではありません。本ページに含まれている見解等は、今後予告なしに変更される可能性がございます。

直近3年間のネクスト11の平均GDP成長率は5.9%であり、過去15年で最も高い水準です。中国などBRICsの高成長国に匹敵する成長を遂げたのはベトナムだけでしたが、過去5年の平均成長率が5%を上回る国は5ヵ国になります。
また、多くの国でインフレ率が低下し、経常収支はほとんどの国で黒字になりました。いくつかの国では世界経済への統合が進み、ベトナム、エジプト、トルコ、パキスタンでは貿易が大きく開放されました(特にベトナムではGDPに占める貿易の割合が2000年以降に35%以上も上昇しました)。
そのようななか、イランを除く10ヵ国のうち8ヵ国の株式市場では、200%以上の値上がりがみられました(ベトナム市場の2003年以降の上昇率は500%を越えています)。にもかかわらず、ネクスト11市場の多くでは、先進国やBRICs諸国に比べ、相対的に割安な水準で取引されています。
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規模の点でBRICsに並ぶのは無理としても、2007年時点ではG7の10分の1強にすぎないネクスト11のGDPは、2050年までにG7の3分の2に達する可能性があります。
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安定した成長環境を保てれば、すべてのネクスト11諸国が今後20年間、4%以上の成長が可能となるでしょう。
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ネクスト11で新たに生まれる需要は2025年前後にG7を追い越し、2050年にはG7の2倍となり、世界の経済成長への寄与が加速する可能性があります。
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G7諸国(米国を除く)に並ぶ経済規模を持つ可能性があるのはメキシコとインドネシアだけですが、ナイジェリア、韓国、トルコ、ベトナムも、一部のG7諸国の経済規模には追いつく可能性があります。
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一方で、安定成長を実現しても、数十年内に所得水準で先進国に追いつく可能性があるのは韓国とメキシコだけでしょう。経済規模のランキングに比べると、所得水準のランキングには変化が少ないとみられます。
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ただし、他のネクスト11諸国も、所得水準はかなり上昇するでしょう。なかでもベトナムは今後25年で所得水準が5倍以上になる可能性があります。
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ネクスト11の夢が現実になるなら、アジアを中心とする途上国への投資シフトが、さらに加速されるかもしれません。

上記の成長見通しが現実になるかどうかは、成長環境を維持できるかどうかにかかっています。ネクスト11諸国にとっては、それはBRICs以上に困難な課題となるでしょう。
例えば、トルコとベトナムは財政赤字に苦しんでおり、イランは政治環境とインフレに弱点を有し、ナイジェリアは平均余命、バングラデシュは教育が劣っています。しかし、トルコはEUとの統合努力を続け、ベトナムはWTO(世界貿易機関)に加盟し、パキスタンは民営化プログラムに着手するなど、改革に乗り出しています。
国によって異なるリスクを抱えるなか、難しい政策選択をこなしていく必要はありますが、状況を打開していければ、上記シナリオ以上の成長を実現する可能性もあるでしょう。
潜在的に規模が大きく、高成長し、所得が伸びる可能性を持つグループとして、ネクスト11は今後20年、企業にとっても投資家にとっても、成長機会の重要な源となる可能性を持っています。先進国が減速するなかで、ネクスト11は、今後数十年で最も興味深い投資ストーリーの主役になる可能性を秘めているのです。