※本ページは、ダイヤモンド・マネー08年新春版より転載されたものです。(2007年12月1日現在)

ジム・オニールは、穏やかだがとても力強い口調で、時にはノートにグラフなどのイメージを書くなどしてとてもわかりやすく新興国の経済成長について語ってくれた。ジム・オニールの部屋には積み上げられたたくさんのレポートに混じって著名人との記念撮影写真やサッカーのピンバッチなども並んでいた。
――日本の個人投資家もBRICsなどへの投資を始めていますが、値動きの大きさに惑わされわずかな上昇で売却したり、07年の2月末のチャイナショックや8月のサブプライム問題による急落で損失を被ったりしたことで疑心暗鬼になっています。このことについてコメントをいただけますか。
売買については、私はアドバイスをするような立場にはありませんが、新興国への投資は高いボラティリティ(値動き)を受け入れて長期投資で行なうべきだと思います。中長期で日本の経済成長を上回る拡大が見込まれているわけですから、長期投資を前提にするなら売買のタイミングなんて取るに足らない問題です。
ただ、そうした傾向にあるのは、なにも日本人に限ったことではありません。アメリカ人にも、イギリス人にもそうした傾向が見受けられます。私が知る限りでは、ドイツ人が長期投資の考え方を最も理解してきているように思えます。
――新興国への長期投資を行なう時、例えば50歳の人であれば資産のどれくらいを配分すべきでしょうか。
50歳ですか・・・。私とちょうど同じ年齢ですね(笑)。ここでは、年齢からではなく投資対象の規模から見た資産配分を紹介しましょう。
現在、BRICsの4カ国で世界のGDPの約15%のシェアを占めています。つまり、投資においても資産の15%を振り分けるのがいいのではないでしょうか。同様の考え方でいくと、ネクスト11はまだまだ5%以下のシェアしかありません。ですので、こちらは5%以下の配分がお勧めですね。
――今後の新興国投資においての最大のリスクは何だと思われますか。
ズバリ、リスクは中国でしょう。中国はここ数年の成長の過程で国民の間の調和が乱れてきており、国内での争いごとが起こる危険性が出てきています。また、この問題のほかにも、インフレが進行していることには注意が必要です。
――最後に、BRICs、ネクスト11に続いて、さらに投資対象となる新興国は今後出てくるのでしょうか。
もちろん、まだまだ成長のポテンシャルを持った国々は存在しています。今はまだ、私のチーム内での雑談レベルなのですが、ヨーロッパ、中東、アフリカの国々に注目しています。


2001年11月のレポートの中で初めて発表されたのがこのBRICs。これをきっかけに世界中の人々が新興国投資に目覚めたと言っても過言ではない。ジム・オニールは、2050年の先進国(G7)には、この4カ国すべてが入っていると予測している。さらにジム・オニールは4カ国について、自力で成長できるグローバル・モダン・カントリーとの評価も。

2005年12月のレポートで発表されたのがこのネクスト11。今のところBRICsの4カ国ほどの成長は期待できないが、将来的にその可能性を秘めている11の国を指す。BRICsと比較してもリスクは高いが、この中から大きな成長を見せ、G7を脅かす存在になる国が出てくる可能性は決して低くない。GDPなどの今後の動向に注目しておく必要があるだろう。

――具体的な国名をあげていただくことは可能でしょうか。
今、ここで具体的な国や地域の名前を挙げるのはご容赦ください(笑)。しっかり調査をして、「ここだ!」という国々が見つかったときには、またレポートの形で皆さんに報告できるでしょう。
――まだまだ世界中には成長力のある新興国がたくさんあると思いますが、2050年以降、すべての新興国が成長を遂げた後はどうなるのでしょうか。
うーん。その頃には、再び日本が高い成長を示し始めるということも考えられるのではないでしょうか(笑)。今後、多くの国が直面する可能性がある高齢化などへの対策では日本が先進国ですからね。
※ダイヤモンド・マネー 2008年新春版 特別付録に掲載された内容を転載。インタビューは2007年10月10日に行われました。
本ページはゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社が「ダイヤモンド・マネー 2008年新春版 特別付録」に掲載された内容を一部抜枠・転載し、情報提供を 目的として作成した資料であり、有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。本ページは新興国投資に関する情報を提供するものであり、特定の金融商品を勧奨するものではありません。本ページに含まれている当社の見解等は本ページ作成時点のものであり、今後予告なしに変更される可能性があります。
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