※本ページは、ダイヤモンド・マネー08年新春版より転載されたものです。(2007年12月1日現在)
下のグラフはジム・オニールのチームによる2050年までの日米とBRICs4カ国それぞれのGDPの予測だ。2041年には中国が世界一の座に着き、2050年時点ではインドも日本を抜き、ロシア、ブラジルも日本にほぼ並ぶほどの成長を見せている。

――日本も1960年代から約30年にわたって高度経済成長を成し遂げました。この時の日本の成長とBRICsの成長のシナリオは異なるものなのでしょうか。
いい質問ですね。一言で言うと、両者の成長過程はとてもよく似ています。中国を例にお話ししましょう。日本の高度経済成長では、その過程で「都市化」と「消費・需要の増大」が起こりましたが、今の中国で起こっているのも、まさに日本と同様の都市化と消費・需要の増大なのです。
ただし、過程は同じでもその成長のスピードや世界経済に与えるインパクトはBRICsのほうがはるかに大きいといえるでしょう。ちなみに、今後中国は日本の約2倍の成長が期待できると考えています。
――現在、地球温暖化や水・食料の枯渇の問題が声高に叫ばれていますが、このことは新興国の成長にプラスの影響があるのか、それともマイナスの影響があるのでしょうか。
そうした事象は、BRICsにとっては、大きな成長のチャンスと言えるでしょう。例えば地球温暖化の問題は、ブラジルにとっては、成長のための“ボーナス”のようなものでしょう。バイオエネルギーを生み出し、それを売っている国なのですから、その恩恵は非常に大きいと思います。
また、中国にとっても、温暖化や大気汚染は大きな問題で、いずれ代替エネルギーの開発を余儀なくされるでしょう。その時には、大きな投資が行なわれる可能性が高いでしょう。

――ジム・オニールは05年12月に、ネクスト11(イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、ベトナム、メキシコの11カ国)を発表されました。これらの国々はBRICsに次ぐ成長期待の高い国と捉えておけばいいのでしょうか。
BRICsとネクスト11は、現状、「先進国ではない」という大きな意味での新興国としては同じ範疇に入るでしょう。しかし、私のイメージでは、ネクスト11こそが新興国で、もはやBRICsは狭義の新興国には当てはまりません。
――では、BRICsとネクスト11はいったいどこが違うのでしょうか。
わかりやすく説明しましょう。私は、BRICsの4カ国を新興国ではなくスペシャルな国々と見ています。そう、この4カ国は自分たちだけで生き残っていける力をもち、成長シナリオは違うが同じようなレベルの成長が期待できる「グローバル・モダン・カントリー」なのです。一方でネクスト11は、まだ政治や経済などのいずれかに問題を抱えた本当の意味での新興国、「エマージング・カントリー」なのです。
つまり、BRICsとネクスト11は単に今後成長していく順番を表しているのではなく、異なる成長期待がもてる2つのグループとしてイメージしているのです。今後の10年でみても、やはり成長が大きいのはBRICsでしょう。
もちろんネクスト11の中から大きな成長を遂げる国が出てくる可能性もあります。ただ、投資という観点では、BRICsよりもネクスト11のほうが、より分散投資の必要性が高いと言えるでしょう。
※ダイヤモンド・マネー 2008年新春版 特別付録に掲載された内容を転載。インタビューは2007年10月10日に行われました。
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