※本ページは、ダイヤモンド・マネー08年新春版より転載されたものです。(2007年12月1日現在)


ゴールドマン・サックス・インターナショナル グローバル経済調査部長
ジム・オニール
1995年にゴールドマン・サックスに入社。2001年より現職。グローバル経済の調査・分析を手がける有数のエコノミスト。
――新興国(エマージング)投資のきっかけとなったのが、ジム・オニールが01年11月に発表した衝撃的なレポートでした。特定の地域に絞った新興国の表現が多いなか、どのようにしてBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字をとった造語)を選んだのでしょうか。

う〜ん。ただ、BRICs(ブリックス)というのが発音しやすかったからですね(笑)。もちろんこれは冗談ですが、4つの国を選ぶにあたっては、今のG7に次ぐこれからのグローバリゼーションを象徴する国をひとまとめにした言葉を作りたかったのです。そのために注目したポイントは次の3つです。
まず、1つが人口。基本的に人口の多い国々に注目しました。2つめのポイントは、世界のGDPに占めるシェアが3%以上の国であるということ。そして最後の一つが、地域的に見た場合でもバランスが取れているという点です。こうした要素を踏まえて選んだ結果、南米1(ブラジル)、ヨーロッパ1(ロシア)、アジア2(中国、インド)という今後の経済成長のシナリオが異なる4つの国が浮かび上がってきたのです。強調したいのは、これらの国々に共通するのは、アメリカ中心の世界から脱却し、真のグローバル化を期待させるということです。これまでの世界経済はアメリカの影響が強すぎた感があります。レポートを発表した約2カ月前の01年9月11日に米同時多発テロが起こりました。これも「脱アメリカ」を意識する要因となりました。
――レポートでは、2050年のGDPの上位国は中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシア、イギリスと予測されています。レポートの発表から6年が経過しようとしていますが、実際のBRICs4力国の成長についてどのように分析されていますか。
各国のこの6年を振り返ると、私が考えていたシナリオどおりに動いています。「将来、世界全体に占める4力国のGDPのシェアは15%にまで拡大する」と予測していたのですが、現実に私の予想が間違ったのは、そのスピードだけです。これほどまでに早く、私の描いたシナリオが達成されるとは正直思いませんでしたね。
――成長スピードが予測より早まった理由はなんでしょうか。
4力国をひとまとめにしたこのBRICsという言葉は、私の頭の中でひらめいた、本当に「ポン」と出ただけの言葉だったのですが、この言葉を聞いて、BRlCsの成長を拡大したいとの思惑が世界中の様々なところで起こったことが、その最も大きな原因ではないでしょうか。
先進国の代表的な企業、例えば日本の企業で言うとトヨタやホンダなども工場の建設などBRICsへの投資を拡大しました。こうした動きがBRICsの成長を早めたのです。もう1つ例をあげましょう。これは広告代理店の例ですが、ある会社はBRICsチームを持っており、BRICsをキーワードにして積極的にビジネス展開を図っています。こうしたことも、BRICsの注目度を高めることになった要因でしょうし、また、人々のBRICsへの期待感の表れでもあるでしょう。
ジム・オニールの調査チームか2001年11月に発表したのがこの『Building Better Global Economic BRICs』。BRICsという言葉はこの中で初めて登場し、世界中の新興国投資のキーワードにまで普及した。このレポートには以下の3つに代表される衝撃的な内容が示されていた。

40年足らずでBRICs経済は、米ドルベースでG6(米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス)を凌ぐ!

BRICsの米ドル建てGDP増加の約3分の2は実質成長率の加速で、残りはBRICs各国の通貨高でもたらされる!

所得の増加によるBRICsの消費支出パターンの変化は、様々な商品・サービスの生産・消費の創出や拡大をもたらす!
※ダイヤモンド・マネー 2008年新春版 特別付録に掲載された内容を転載。インタビューは2007年10月10日に行われました。
本ページはゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社が「ダイヤモンド・マネー 2008年新春版 特別付録」に掲載された内容を一部抜枠・転載し、情報提供を 目的として作成した資料であり、有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。本ページは新興国投資に関する情報を提供するものであり、特定の金融商品を勧奨するものではありません。本ページに含まれている当社の見解等は本ページ作成時点のものであり、今後予告なしに変更される可能性があります。
経済、市場等に関する予測は、高い不確実性を伴うものであり、大きく変動する可能性があります。ゴールドマン・サックス・インターナショナルグローバル経済調査部長ジム・オニール及び当社は、予測値の達成を保証するものではありません。