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- 首都:
- サンティアゴ
- GNI:
- 956.6億ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 4.0%(2006年)
- 通貨:
- ペソ
- 面積:
- 75.6万平方キロ
(日本の約2倍) - 人口:
- 1,630万人(2005年)
- 言語:
- スペイン語
出所:外務省
2006年最後の大使館訪問シリーズでは、南米の新成長国、チリ共和国の在日大使館を訪問しました。国際社会からのチリに対する経済的な評価は高く、競争力、制度面の強固さ等の点から、先進国企業からも投資先として比較的安全な地域として捉えられています。天然資源が豊富な国で、銅の生産量は世界随一であり、中国やインド等の経済が拡大し、天然資源の価格が上昇する中で、銅の輸出により多額の外貨も獲得しています。財政面での健全性も高く評価され、国債の発行体格付けもA(S&P、外貨建て)と、高い水準にあります。また、約40の国と自由貿易協定を結んでいるなど、世界屈指の輸出立国という顔も持ち合わせています。このように、チリは市場経済が浸透しており、2006年に取り上げた新成長国の中でも、経済水準が先進国に最も近い国の一つと言えるかもしれません。
今回訪れたチリ大使館・商務部は、東京タワーから徒歩数分圏内のオフィスビルの一角を占めています。同じビルにはかわいいパンダのロゴでおなじみのWWF(世界自然保護基金)が入居しています。
今回お話を伺ったのは、チリ大使館商務部のヘルマン・ベック商務行使参事官です。ベックさんは1990年よりチリ政府に勤務されておりますが、それまでは、チリの商業銀行において、約18年間、ローンや貸し出し等の銀行業務に携わられていました。銀行マンとしての長いキャリアを活かし、今はチリと世界各国との貿易や経済交流促進のために意欲的に活動されています。東京には2006年8月より赴任され、日本とチリの経済交流の強化に日々取り組まれています。
チリは、16世紀以降、スペインの植民地となりましたが、19世紀に入り、世界的に反植民地化の気運が高まる中で、1818年に独立を宣言し、スペインからの事実上の独立を果たすことになりました。1973年にはクーデターが発生し、その後1989年まで軍事独裁政権が続きましたが、90年代以降は、民主主義・対外開放路線を歩んでいます。2006年4月には、バチェレ氏が大統領に就任し、チリ史上初の女性大統領が誕生しました。経済に関しては、1990年〜2004年の平均成長率が年率5.6%に達するなど、チリは、南米諸国のなかでも突出した高い成長を続けています。主に輸出産業によりチリ経済は成り立っており、特に世界一の生産量を誇る銅の輸出が経済を牽引しています。世界最大規模のエスコンディダ銅山やチュキカマタ鉱山などが有名です。
近年では、中国やインドなどの需要拡大(銅鉱石の多くは、電線・ケーブルなどに使用される)により、銅の国際取引価格が急騰しており、この恩恵を受ける形で、銅の輸出により多額の外貨を獲得しています。
近年、チリは欧州連合(EU)、アメリカ、カナダ、メキシコ、韓国などと自由貿易協定(FTA)(※)を締結しており、主要国との自由な貿易を推し進めております。また、歴史的には銅の輸出が大半を占めていましたが、今日では工業製品、ワイン、木材パルプ等輸出品目の種類も豊富になっています。貿易相手国の中でも日本は重要な相手国の一つであり、今年の11月に日・チリ首脳会談が行われる等、両国は良好な関係を維持しています。
(※)特定の複数国において、関税を撤廃し、数量制限などの貿易障害をなくすことで、自由な貿易を活性かさせようという貿易上のルールです。


チリは、各国との自由貿易を積極的に推進しており、欧州連合(EU)やアメリカ等の主要国と自由貿易協定を締結して、チリ経済の活性化につなげています。更なる貿易自由化を目指して、インドとも自由貿易協定の早期締結を目指しており、2006年3月には、インド・チリ両政府が、ニューデリーで主力商品の関税率を相互に引き下げる特恵貿易協定に調印しました。この協定により、チリの魚肉加工品や銅、インドの繊維製品や医薬品など、両国の主要製品のほとんどが関税引き下げの対象となります。今後も同様の協定を結ぶ相手国の拡大が見込まれています。
日本もチリとの間で自由貿易協定を核とした経済連携協定(EPA)の締結を目指す交渉を進めています。現時点では、チリは約40ヵ国と協定を締結しており、その積極的な姿勢から、世界からも「FTAの優等生」と賞賛され、他国も手本にしていると聞きます。
チリには、世界に誇れる著名人が数多くいます。まず、スポーツ界では、2004年のアテネオリンピックでチリ史上初となる金メダルを獲得した、ニコラス・マスー選手(男子シングルス、ダブルスの両方で金)とフェルナンド・ゴンザレス選手(男子ダブルスで金)がいます。また、サッカー界では、若干20歳で、現役時代のマラドーナのプレーを彷彿とさせる、マティアス・フェルナンデスがいます。
また、パブロ・ネルーダ氏は、チリの国民的英雄である詩人で、自然の美しさを詠った「マチュピチュの高み」が世界的に有名です。彼は1971年にノーベル文学賞を受賞しています。


一口メモ:「エスコンディダ銅山」
エスコンディダ銅山は、チリのアタカマ砂漠(世界で最も乾燥した砂漠と言われ、40年間まったく雨が降らなかった地域)に位置し、世界の銅生産の8%を占める世界最大の銅山です。1988年に開発がはじまり、今日ではチリの銅生産の20%を占め(チリの輸出の40%を銅が占めています)、多くの雇用機会を生み出しているチリの重要な産業施設の一つです。今年の8月には、2000人を越える労働者が賃上げを要求してストライキに突入したことが世界中に報道されましたが、銅の国際取引価格にも影響を及ぼしました。エスコンディダ銅山には、三菱商事や日鉱金属、三菱マテリアルなどの日本企業も出資しています。
「京都議定書」をご存知でしょうか?これは、1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止のための世界会議にて議決された議定書のことです。この議定書は、日本、アメリカ、EU等の先進国が地球温暖化の原因となる二酸化炭素やメタン等の温室効果ガスの排出量の削減をある一定期間内に達成することを義務付けたものです。先進国は、排出量削減を実現するため、
CDM (クリーン開発メカニズム)と呼ばれる制度を活用します。これは、先進国が新成長国に資金等の支援を行い温室効果ガス排出量を削減する事業を実施した結果、その削減分の一定量を先進国の排出量削減分に充当することができるのです。日本政府がこれまでに承認したCDMの多くはチリで行われており、日本とチリは環境問題でも連携を強めています。

インタビューを終えて・・・
チリ経済の強みは、約40の国と自由貿易協定を結んでいることなどに代表されるように、南米諸国の中でも屈指の自由経済を推進していることにあると思います。また、銅などの豊富な天然資源の輸出により潤沢な外貨資金も保有し、新成長国の中で最も格付けの高い国の一つでもあります。今回の訪問を通じて、チリ経済の強さを改めて感じることができました。
(このインタビューは2006年12月28日に取材したものです。)
皆様は、チリが世界屈指のワイン産地であることをご存知でしょうか?最近では、東京の有名レストランでも、フランス産、イタリア産等と並んで質の高いチリ産のワインが置かれています。また、ワインショップにも多種のチリワインが販売されており、家庭でも楽しまれています。
チリでは、スペインの植民地であった16世紀以来ワインの生産を行っており、南北4000キロに及ぶ細長い国土のほぼ中央に位置する「セントラル・ヴァレー」と呼ばれる地域で主に生産されています。1990年代以降、チリワインは世界でその存在感を高めはじめ、1978年には約900万ドルであった貿易量も、2005年には約9億ドルの輸出額に急伸しました。ワインは、チリ経済にとって重要な役割を果たしているのです。


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