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- 首都:
- チュニス
- GNI:
- 290億ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 5.0%(2005年)
- 通貨:
- チュニジア・ディナール
- 面積:
- 16.4万平方キロ
(日本の5分の2程度) - 人口:
- 1,017.5万人(2006年)
- 言語:
- アラビア語、フランス語、英語
出所:外務省
第12回目となる大使館訪問シリーズでは、チュニジア共和国の駐日大使館を訪問しました。チュニジアは北アフリカの地中海を挟んでイタリアの真南に位置し、人口1,000万人程を有する主にアラブ・イスラム系国家です。EU主要都市とは飛行機で約2時間の距離にあること等から、欧州経済との結びつきが強く、多くの欧州企業がチュニジアに進出しています。また、日本との良好な外交関係には長い歴史があり、今年で両国が外交関係を樹立してちょうど50周年となり、日本はチュニジアを北アフリカ地域における外交の柱として重要視しています。チュニジアは、1956年の建国以来、政治・社会・経済の面で大きな混乱は起こっておらず、安定した経済成長を遂げている新成長国であり、今後も更なる躍進が期待できると考えられます。
今回訪れたチュニジア大使館は靖国神社の近くに位置しています。建物の外観は近代的であり、建物1階のショーウィンドウのようなケースの中には、チュニジアの生活様式の1つを代表する青と白を基調とした美しい窓枠が飾られていました。こうした工夫からも、自国の文化を伝えたいという意気込みを垣間見ることができました。
今回お話を伺ったのは、チュニジア大使館のカイス・ダラジ参事官です。ダラジさんは、2004年に日本に赴任される以前には、6年におよぶロンドン駐在のご経験もあり、外交関連における業務のプロフェッショナルとして活躍されておられます。
ダラジさんの重要な任務の一つとして、チュニジアと日本の経済交流を更に深め、日本企業の進出や貿易を促進することが挙げられます。物腰柔らかな方で、我々のインタビューを快く受けていただきました。また、今回は同大使館で参事官補佐を務めておられる坂井恵美さんにもご同席いただき、我々のインタビューにご協力いただきました。
20世紀初頭、チュニジアは、フランスの保護領でしたが、1956年に独立を果たしました。1987年にベン・アリ現大統領が就任し、民主・自由化の推進を積極化しました。現在では、市場型経済が先進国並みに浸透しており、チュニジア企業の競争力は高まっています。また、政情、社会情勢が安定していたこともあり、他の新成長国と比べても、安定的な経済成長を遂げてきました(下図参照)。チュニジア、モロッコ、アルジェリアの3ヵ国は「マグレブ」諸国とも言われており、重要な経済ブロックとして注目されています。「マグレブ」諸国が2010年以降、EU加盟を果たす可能性もあると考えられており、注目度の高い国々です。

1980年代後半以降、チュニジアは経済の自由化に積極的に取り組んできました。1995年にはEU(欧州連合)との間に2008年までに自由貿易ゾーンを設立する趣旨のパートナーシップ協定を締結しました。また、外国企業によるチュニジア進出に寛容な方針を取ってきたため、特に欧州企業による進出が進んでいます。外国企業の進出により淘汰された国内企業も少なくありませんが、競争力が高まった国内企業の割合の方が高く、今までの自由化政策は一定の成果を上げていると感じています。EUとの自由貿易が更に拡大することで、外国企業にとっては、EUへの製造・輸出拠点としてのチュニジアの存在感は更に高まると考えています。日本企業の進出も今後本格化するのではないでしょうか。

過去において、農業、繊維産業がチュニジア経済の中心的な役割を担っていました。しかし90年代以降は、主に外国企業誘致政策が奏功した事から、製造業やサービス業も拡大しており、経済の多様化が進んでいます。繊維産業は今でも国の最重要産業の一つであり、欧州市場向けの輸出国としては第4位の高いシェアを維持しています。また、IT(情報技術)産業は、今後チュニジアの経済成長を牽引する戦略的産業として位置付けられており、多くの海外企業がチュニジアでジョイント・ベンチャーで事業を起こしています。国内にはすでに約400社のコンピュータ産業関連企業が存在し、2002年から2006年の間に年率21.6%の急スピードで成長しています。

チュニジアでは、多様な文化・宗教背景を持った人々が共存しており、チュニジア人の国民性の1つである「寛容さ」が大きく影響しています。チュニジアは、「イングリッシュ・ペイシェント」や「スター・ウォーズ」といった有名な映画の撮影の舞台になったこともあるほどの、素晴らしい景観も堪能していただけると思います。日本の皆様にもぜひ一度、お越しいただきたいと思います。
一口メモ:「チュニジアのマグロ養殖市場」

チュニジアの日本向け輸出の約5割を占めているのが魚介類で、その中でもマグロの養殖・水揚げが盛んです。 マルハや伊藤忠といった日本企業は現地や他国の企業と協力してマグロの生産を行っています。チュニジアにおけるマグロの生産は、漁によるものだけでなく、捕獲したマグロを育てて出荷する「畜養事業」によって行われています。
チュニジアには世界各国の企業が進出しています。プジョー、ルノーといった自動車関連企業が、部品製造の工場を保有しています。また、日本の三菱、いすゞやソニーが自動車や電気製品の組立工場を保有しています。こうした新しい分野だけでなく、伝統的な繊維産業においても、欧米のベネトン、ZARA、ピエールカルダン、リーバイス、GAP等と契約を結んで、素材などを提供しています。こうした先進国企業の進出を支えているのが、「質の高い労働力」であると考えています。チュニジアでは、過去には失業率が非常に高かった時期もあり、現在でも国をあげてこの問題に取り組んでいます。その中で、若者へ高い水準の教育を提供することが、取り組みの1つの例として挙げられます。こうした努力が労働力の質の向上につながり、ひいては海外からの企業の進出を促進しています。中国等と比較すると、決して安価な労働力とは言えませんが、生産物の質や欧州市場と至近距離にある事(下図参照)など、他の面で勝負することができると思います。


インタビューを終えて・・・
アフリカ大陸の大使館を訪問するのは、今回のチュニジアが初めてとなりました。アフリカ大陸が南北でかなり異なる文化、経済構造となっていることや、EUとの自由貿易協定により、今後日本企業の更なる進出が期待できること等、新しい発見の多いインタビューとなりました。
(このインタビューは2006年8月28日に取材したものです。)
今回は東京都内のチュニジア料理店、「ハンニバル」(渋谷区・千駄ヶ谷)に伺いました。 インタビューにご協力いただいた佐々木さんによると、チュニジア料理の特徴として、「見た目が華やかであること。」、「使用する食材が豊富であること。」を挙げておられました。特に興味深かったのは、お客様をおもてなしする際には、可能な限り時間をかけて作ることが大切であるということでした。使用する食材は、チュニジアが地中海に面していることもあり、イタリア料理と共通するものも多く、イタリアンパセリ、トマト、オリーブオイルがよく使われているとのことでした。昔から、チュニジアでは、魚、肉、野菜を問わず、食材が豊富にそろう土地柄であり、様々な種類の料理が生まれたようです。また、アフリカ料理の代表として知られる「クスクス」ですが、チュニジアやモロッコを中心とした北アフリカが発祥となっています。一説には、このクスクスが現在のパスタの原型になったとも言われています。 チュニジアでは、ワインの生産も盛んであり、赤、白ワインはもちろんのこと、ロゼワインも好まれているようです。このワインについては、現在のワインの製造方法は、カルタゴが発祥とも言われています。この色彩豊かで、どこか懐かしく優しいチュニジア料理を是非お試しいただければと思います。


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