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- 首都:
- ドーハ
- GDP:
- 約345億ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 21.2%(2005年)
- 通貨:
- カタール・リヤル
- 面積:
- 11,427平方キロ
(日本の秋田県程の広さ) - 人口:
- 約74万4千人(2005年)
- 言語:
- アラビア語
- 国の花:
- ナツメヤシ
出所:外務省
第11回目となる大使館訪問シリーズでは、中東のカタール国の駐日大使館を訪問しました。カタールの国土は日本の約3パーセントしかないものの、原油、天然ガスをはじめとした天然資源に恵まれており、国民一人当たりのGDP(外国人労働者を除いた場合)も世界トップクラスの水準です。そして、カタールの輸出相手国の中でも日本は大きな割合を占めており、私たち日本人にとっても身近な国の1つと言えるかもしれません。また、カタールの首都、ドーハは、1993年のサッカーワールドカップにおけるアジア地区予選での「ドーハの悲劇」の舞台になったことや、最近ではアラビア語衛星放送局「アルジャジーラ」の本拠地として、日本での知名度が高まっています。カタールは今、天然資源に依存した産業構成を改善するために、観光産業の発達やインフラ設備に巨額な資金を投じており、更なる経済発展の土台を築きつつあります。今後の飛躍的な成長が期待できる、新成長国の一角であると考えられます。
今回訪れたカタール大使館は六本木ヒルズから徒歩15分程の、高級住宅街の一角に佇んでいます。写真でも分かるように、5階建ての建物全てがカタール大使館となっており、経済成長の勢いを感じさせる立派な建物でした。また、近所には、名門の麻布中・高等学校があります。今回のインタビューにあたっては、2名の大使館員の方に対応を頂きました。

インタビュー当日は、北朝鮮による「ミサイル発射」のニュースがあり、大使館の方々も本国との連絡でお忙しい中、親切に対応頂きました。なお、今回はカタール大使館からの要望により、対応してくださった方の写真でのご紹介は差し控えております。
カタールは、一人当たりのGDPが約36,000米ドル(2004年時点)に達しており、日本に匹敵する水準を誇る経済国家です。高水準の経済レベルを支えているのが、天然ガス、原油といった天然資源です。特に天然ガスについては70年代に初めて採掘され、現在ではその埋蔵量は世界トップ3に入り(下表「天然ガスの埋蔵量が豊富な上位10カ国」参照)、LNG(液化天然ガス)の生産量は世界一を誇ります。現在では自動車等の燃料においては、ガソリンが主流となっていますが、原料である原油の埋蔵量の問題等から、天然ガスは次世代のエネルギーとして大きな期待を集めています(下表「世界のエネルギー需要予測」参照)。カタールはこの豊富な天然資源を背景に、2005年に、「中東・北アフリカ地域で最も競争力のある経済」として賞賛されています*。このように、カタールは天然資源を中核とした経済成長を遂げてきましたが、今後は観光やインフラ整備等、天然資源以外の産業を発達させることが、長期的な経済成長には欠かせないと考えています。
(*World Economic Forum 2005より)

カタールは世界第3位の天然ガスの埋蔵量を誇ります。また、人口あたりの埋蔵量はダントツ1位です。

石油に代表されるエネルギー資源の世界需要は、中国を始めとした新成長国の需要増大で今後も伸びると予測されています。その中でも天然ガスに対する需要の伸び率は、石油、石炭を抜きもっとも大きくなる見通しです。
現在、カタールでは、飛行場をはじめとした交通機関などのインフラが急ピッチで整備されています。この新しい飛行場「新ドーハ国際空港」(写真)は、2009年までには、計画の第一段階を終え、1年で1,250万人の利用を見込んでいる巨大な空港となる予定です。そして、2015年までには、年間利用者数では5,000万人までに達する予定です。この新空港建設に関するプロジェクトでは、計画の第1段階で既に25億ドルの費用を投入しており、計画の第2、第3段階では、更に50億ドルという巨額な資金が必要になりますが、天然資源に偏った産業構成を改善させるためには、必要不可欠な投資であると考えています。また、カタールは地理上の観点から、各地域間の経由地となる要所であることを考えれば、こうした交通機関の整備は国の責務とも言えるかもしれません。これは余談ですが、新空港の王族用ターミナルの新築工事を日本の竹中工務店が受注しました。

カタールの産業構成において、エネルギー産業が約6割強占めているため、将来のエネルギー市場の価格下落は、カタールの経済に大きなマイナス要因となります。そのため、カタールは大型飛行場の建設や不動産プロジェクトの開発を進めており、エネルギーに大きく依存した経済体制からの脱却を図っています。
カタールには、商社を筆頭に、43の日本企業が進出しています。これら企業の駐在員の約8割がエネルギー関連の業務に従事しています。カタール人の多くは、日本企業がカタール経済おいて重要な役割を担ってくれていると感じています。また、国の基幹産業であるLNG事業に初めて投資を行った外国企業は日本の中部電力でした。 また、カタールは天然資源だけでなく、観光事業等にも力を入れており、海外からのお客様に楽しんで頂ける国づくりを目指しています。日本の皆様にも、機会を見つけて、是非遊びに来て頂ければと思います。
一口メモ:大型不動産開発プロジェクト・「パール・カタール」について
カタールでは天然資源に依存した産業構成を改善するために、様々な国家プロジェクトが発動しています。その中でも注目を集めている事業が、「パール・カタール」(写真下)と呼ばれる、不動産開発プロジェクトです。カタール政府は、天然ガスや石油の輸出で獲得した潤沢な資金を活用し、25億ドルを投じて、このプロジェクトに投資をしています。これは、カタール初となる外国人を対象とした不動産建設のプロジェクトです。4,000平方キロメートルの壮大な埋立地には、今後5年間を費やし、優雅なリゾートマンション、5つ星の高級ホテル、教育機関、ショッピング施設などが建設される予定です。このプロジェクトにより、外国からの居住者の増加が見込めるなど、外貨の獲得などに寄与することになるでしょう。

先程もお話しましたが、カタールの生活水準は世界トップクラスです。実際、カタールでは消費税の徴収がありませんし、電気・水道代や病院での診療費、教育の一部が無料となっています。そして、大学を卒業すると、一定の大きさの土地を貸してもらえるといった制度もあります。

インタビューを終えて・・・
今迄取り上げた新成長国の中で、天然資源を背景とした力強い経済成長を遂げている国は今回のカタールが初めてでした。カタールにおいては、天然資源の発掘は、他の資源国と比べて遅れを取ったこともあり、埋蔵量の点で優位にあることから、今後も世界のエネルギーの供給拠点として、より一層存在感を増していく国の一つであると考えられます。
今回のインタビューに応じてくださった担当の方によると、カーネギー・メロン大学やジョージタウン大学など、アメリカの名門大学がカタールに進出しているとのことでした。これを受けて、中東だけでなく、ヨーロッパなどの地域からも、学生が留学しています。カタールに米国の大学が設立されることで、中東・ヨーロッパの学生は、わざわざアメリカに行かなくても済むというメリットが生まれています。こうした海外の大学などを集めた、ドーハの郊外にある「Education City」を国が整備しています(写真右)。この広大なキャンパスの設計を担当したのは、海外で最も有名な日本の建築家の一人である磯崎新氏です。


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