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- 首都:
- ブカレスト
- GDP:
- 約986億ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 4.5%(2005年)
- 通貨:
- レイ
- 面積:
- 約23.8万平方キロ
(本州とほぼ同じ) - 人口:
- 約2,160万人(2005年)
- 言語:
- ルーマニア語(公用語)、ハンガリー語
- 国の花:
- バラ
出所:外務省
ルーマニアの人口は2,000万人を超えており、東欧諸国でポーランドに次ぎ人口の多い国です。労働者賃金が、既にEU加盟を果たした東欧諸国と比べて割安で、労働力の確保が容易なことから、先進国企業から次世代の投資先として近年注目を集めています。今後は日本企業の進出も期待されます。EU加盟については、2007年を予定しており、西欧諸国との関係が歴史的に強いこともあって、飛躍的な経済発展を遂げる可能性を秘めた強力新成長国の一つです。
ルーマニア大使館は東京・西麻布の閑静な住宅街の一角に佇んでいます。東欧でポーランドに次ぐ第2の人口を誇る大国を象徴するかのような、壮麗な大使館でした。
今回お話を伺ったのは、ルーマニア大使館の首席参事官、ヴレベネル経済担当行使です。ヴレベネルさんは、ルーマニア政府に20年以上の勤務経験をもつベテランで、日本には2002年10月に赴任されました。それ以前は、デンマーク、イタリア、トルコの大使館での勤務経験をお持ちで、ルーマニア情勢以外にも、欧州圏全体の動向に精通されており、知的、且つ力強い印象を与える方でした。
ルーマニアにおいては、1989年4月に「ルーマニア革命」が勃発し、それまでのニコラエ・チャウシェスク(※)による独裁政権が崩壊し、民主主義国家となりました。チャウシェスクは共産主義時代に、ソ連とは距離を置く独自の路線を築き、西側諸国とのつながりを重視しました。革命後、経済は停滞し、1990年代中盤には高い経済成長率を記録した年もありましたが、1990年代の終わりには赤字国営企業のリストラ等の影響で失業率が高まるなど、再び経済成長率はマイナスとなりました。しかし、2000年に入ると、税制の優遇措置、海外からの投資を受け入れる体制の整備といった経済的な環境が整う中で、経済成長が軌道にのり始めました。そして、2004年にはGDP成長率が8.3%を記録するなど、ルーマニア経済は新たなステージに突入したと考えられます。
(※)ニコラエ・チャウシェスク(1918年〜1989年)
1974年にルーマニア共和国の初代大統領に就任。ポーランドやハンガリー等の他東欧諸国とは異なり、ソ連から距離を置く独自の共産主義路線を貫いた。長期独裁政権による権力の私物化が生まれ、1989年のルーマニア革命を契機に国民の不満が爆発。同年12月に夫人のエレナとともに公開処刑(銃殺)される。
ルーマニアは有望な投資先として先進国企業から注目を集めています。EU加盟をすでに果たしたハンガリー等の東欧諸国では、外国資本の急速な流入などにより労働者賃金が上昇し、以前より投資妙味が薄れはじめています。ルーマニアが投資先として魅力的なのは、第一に、ハンガリーなど他の中東欧諸国と比較して、労働賃金が低く、コストを抑えることができること(下図ご参照)。第二に、2,000万人を超える人口を誇り、国内だけで労働力を賄えること。第三に、チャウシェスク政権時代より西欧諸国との関係が強かったこともから、ベアリングなどの自動車部品関連の技術が培われており、熟練動労者を比較的容易に確保できること。現時点では、ルーマニアにはドイツや米国の企業が多数進出しており、日本企業については、今後の更なる進出が期待されます。
ルーマニアは、主要東欧諸国の中で労働賃金がもっとも低い国の一つです。また、ドイツの賃金水準の約10分の1以下です。

ルーマニアは、広大な国土、そして東欧諸国随一の人口を誇っています。BRICs諸国の経済成長の原動力の一つは、豊富な人口とされており、ルーマニアの豊富な人口は将来の経済成長にとって強みになると考えられます。国土の広さは、農業の生産力にもつながっており、キャベツなどの野菜のみならず、ぶどうやりんごなどの果樹の生産も盛んです。実際、2004年における高い経済成長率には、農業の伸びが大きく貢献しました。また、ルーマニアは、天然資源にも恵まれており、石油や天然ガスの自給率も比較的高くなっています。それ以外では、石炭の生産量も多く、主に火力発電の原料として使用されています。このようにルーマニアは、バランスの取れた経済構造を有しており、国の強みの一つとして考えられます。
日本への輸出品目第1位は?
ルーマニアから日本へ輸出されている品目の中で割合がもっとも高い製品が、なんとスキー靴です。スキー用品の有名メーカー「サロモン」もルーマニアに生産工場を展開しています。
過去17年間におけるルーマニアの民主化には、2つの側面がありました。国内における民主化(社会主義から市場主義への変貌)、そして欧州経済圏への復帰です(2007年にEU加盟を予定)。ルーマニアでは、企業の95%は既に民営化されており、国営企業の多くはエネルギー、ガス・電力関連ですが、これら産業も民営化が進められています。金融セクターについても1つの国営企業を除いて、全て民営化されています。市場経済化については国民の7割が賛同をしたとされており、これはルーマニア国民が市場経済への復帰を強く願っていたことの表れと言えるでしょう。
ルーマニアで知名度がもっとも高い日本企業はジェイテクト(旧光洋精工)です。ベアリングの製造会社で、ルーマニアと日本の産業協力の先駆け的な存在です。同社の会長は、日本とルーマニアの経済交流の強化、発展への貢献度が評価され、ルーマニア国勲章を受章しています。豊富な労働力を割安な賃金で雇えるルーマニアの労働市場は魅力的であり、法人税の低さや柔軟な社会制度も進出の決め手でした(ハンガリー等では労働力不足をまかなうために隣国のスロベニアやスロバキアから追加的な労働力を集めています)。 近年ではより高い技術力を要した熟練労働者に対する需要も出てきており、カメラ部品の製造やIT関連の部品製造を手がけるようになりました。富士フィルムなどの日本企業も進出しています。
ルーマニアに進出した多くの日本企業より、マイナス評価を一切頂いていないことを我々は誇りに思っています。イタリアなどEU諸国からもFDI(直接投資)を受けいれていますが、中には満足をしていない企業なども存在します。日本企業が他国に比べ投資に対して慎重な姿勢を維持していることの表れだと考えています。最近では、株式会社マキタ(電動工具・機械類製造)も新工場を建設することを決定しています。
日本企業がルーマニア情勢について精通していることにはとても驚かされます。今後は経済だけでなく、文化面からも相互理解を深めて行きたいと願っております。

インタビューを終えて・・・
豊富且つ割安な労働力、バランスの取れた産業構成、西欧諸国との歴史的な強いつながりは、他の中東欧諸国とは異なるルーマニアの強みです。
(このインタビューは2006年3月9日に取材したものです。)
今回は、開業29年の老舗ルーマニア料理店、「ダリエ」(中央区・銀座)に伺いました。ルーマニアの代表的な料理、「サルマーレ」、「サラタ・デ・ビネデ」、「ミティテイ」そしてデザートに「パパナッシュ」を頂きました。対応をして下さったシェフの及川さんによると、「ルーマニア料理の特徴は、見た目にはこってりした雰囲気があるが、味わってみると意外とあっさりしている。」とのことでした。実際、今回頂いた料理は、肉料理もありましたが、あっさりとしていました。例えば、サルマーレは、いわゆるロールキャベツですが、キャベツを酢に10日間程漬けた後にひき肉やタマネギなどの具材を包んでいるため、酸味がありすっきりとした味わいでした。また、通常のロールキャベツは煮込むことで火を通しますが、サルマーレでは蒸しています。サラタ・デ・ビネデは、焼いたナスの皮をむいて、包丁でたたいてペースト状にしたものをパンなどにのせて食べるのですが、ナスそのものの味がしっかりとして、大変おいしかったです。ルーマニア料理は、他の中東欧諸国の料理とは違った味わいでした。是非、ご賞味ください。



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