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- 首都:
- ベオグラード
- GDP:
- 233億米ドル(2004年)
- 経済成長率:
- 7.0%(2004年)
- 通貨:
- (セルビア)ディナール
(モンテネグロ)公定通貨としてユーロを採用 - 面積:
- 10万2,173平方キロ
(日本の約1/4) - 人口:
- 約1,000万人
- 言語:
- セルビア語
- 国の花:
- ユリ
出所:外務省
セルビア・モンテネグロは、1999年にコソボ自治区との間で民族紛争が激化し、NATO(北大西洋条約機構)は空爆により沈静化を計ったという歴史があり、経済は一時的に大きなダメージを受けました。しかし、2000年以降、経済は急速に回復への道を辿っています。旧ユーゴスラビア時代にすでに強い経済基盤を築いた国であったことや、NATOによる空爆後も積極的に国営企業の民営化及び外国資本の呼び込みを行ってきたことで、世界経済の中で再び活躍しようとしています。但し、モンテネグロの独立運動が続いていることや、コソボ自治区との関係が改善していないことから、不安要因はまだ残っています。
セルビア・モンテネグロ大使館は、東京の品川駅から徒歩15分の住宅街の一角に佇んでいます。旧ユーゴスラビア崩壊後、クロアチアやスロベニア等の構成国はこの大使館を離れ、都内に新しい大使館を構えました。そのためか、広々とした印象を受けました。
今回お話を伺ったのはセルビア・モンテネグロ大使館のネボユシャ・タシッチ経済担当参事官です。
タシッチさんは約1年半前に来日され、日本企業とセルビア・モンテネグロのパイプ役として活躍されています。
非常に穏やかな雰囲気の方で、私たちの訪問を大変歓迎してくださいました。
セルビア・モンテネグロは二つの共和国からなる連合国家です。もとは旧ユーゴスラビアを構成する国々でしたが、1991年からのユーゴスラビア紛争の過程で、セルビアとモンテネグロを除く4つの国(スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ)が独立し、残ったセルビアとモンテネグロは2003年まで「ユーゴスラビア連邦共和国」として存在しました。1990年代後半よりセルビア南部に位置するコソボ自治州とセルビアの間で民族間の紛争が激化し、1999年にNATOは空爆による武力行使を行い、2000年に一応の終結を見ました。NATOによる攻撃はセルビア全土に及び経済的に大きなダメージを与えましたが、それ以降は順調に回復し、2000年以降は平均約5%の高い経済成長率を達成しています。
セルビア・モンテネグロは、旧ユーゴスラビア時代にソ連とは一線を画した社会主義政策を取っていました。ソ連の衛星国ではなかったこともあり、西欧諸国との関係は、他の東欧諸国と比較しても良好です。コソボ紛争で一度は国際社会から隔離されましたが、国際社会との協調を促進するべく努力を続けています。まず貿易についてですが、アメリカは2003年11月にセルビア・モンテネグロに最恵国待遇を与え、両国の貿易関係はそれ以降大きく拡大しています。
また、セルビアはロシアと自由貿易協定(※)を結んでいる数少ない国の一つです。外国企業からの投資も近年増加傾向にあり、セルビア・モンテネグロの国際社会での地位は年々高まっています。
スタンダード&プアーズは2005年7月中旬にセルビアの債務格付けをB+からBB-に格上げしています。
(※)特定の複数国において、関税を撤廃し、数量制限などの貿易障害をなくすことで、自由な貿易を繁栄・発展させようという貿易上のルール
「セルビア・モンテネグロの経済成長」
セルビア・モンテネグロ経済は1999年にNATOによる空爆がセルビア全土を襲った影響で18%を超えるマイナス成長を経験しましたが、2000年以降は順調に経済成長を遂げています。

(出所:IMF)
過去3年ほどの期間に、海外から約6,000億円の投資を受け入れています。その中で、もっとも大きな投資を行っていたのがアメリカです。具体的には、USスティールやコカ・コーラなどが投資を行っています。こうした海外からの投資が進んだ背景としては、「低い税率」、「熟練労働者の賃金が低い」、「地理的な要所にある」といったポイントが挙げられます。今後は、日本企業の積極的な進出に期待しています。

少し意外かもしれませんが、農業は重要な産業であり、将来的にも有望であると考えています。特に食品加工産業の発展が鍵となってくるでしょう。実際、我が国は、欧州圏における食糧生産国の1つとして重要な位置を占めていくと考えられます。また、石炭のような天然資源や水力による発電能力も豊富にあり、天然資源やエネルギーに関連した産業も有望です。 IT産業に目を移すと、2005年にはマイクロソフトがベオグラードに拠点を置くなど、IT産業の育成にも有利な条件を備えています。以上の産業以外にも、他の中東欧諸国と同様に、私たちの国でも観光産業には力を入れたいと考えています。
セルビア・モンテネグロの人々は、日本の皆様がそうであるように、自分たちの国の歴史、文化に誇りを持っています。ご存知のように、過去には、国の融合、分裂といった厳しい時代を経験したこともあり、我慢強いという特徴も持っています。それもあってか、大変勤勉であり、向上心も強いことから、西欧諸国における我が国の労働者への評価は非常に高いものがあります。外国の人に対しても、非常に寛容であり、ビジネスで訪れる外国の方々もセルビア・モンテネグロでの滞在を楽しんでいただいているようです。これは、我が国が欧州において最も古い民主国家の1つであることの表れかもしれません。スポーツ好きという国民性も見逃すわけにはいきません。日本で有名なサッカー選手、鈴木隆行選手(元鹿島アントラーズ)がセルビア・モンテネグロの強豪チーム、レッドスターに移籍が決まりました。今後の活躍に期待しています。
やはり、若者は西欧文化の影響を大きく受けており、英語をはじめとした言語やコンピュータ技能を身につける者も多く、より有利な就職につながっているようです。また、数学や物理学、音楽においても高い才能を発揮する者がおり、世界的な大会でも上位の成績を残しています。このような若者たちが、国の発展を支えてくれるのではないでしょうか。
現時点では、セルビア・モンテネグロに進出をしている日本企業の数は決して多くはありません。しかし、自動車部品の1つであるベアリングの製造を行っている大同メタルは、Kotor(コトル)という地域に工場を保有しており(写真右)、実際にベアリングの製造を行っています。そして、大同メタルより大使館に対して、「セルビア・モンテネグロにおける労働力の質そして工場を設立したことに大変満足している。」とのコメントをいただきました。それ以外にも、トヨタやスズキがセルビア・モンテネグロの自動車業界との関係構築を模索しています。最近では、JT(日本たばこ産業)がたばこ工場の民営化に関連した入札に参加しています。
また、これは非常に興味深いことですが、「どこの国と経済的な協力関係を結びたいですか?」という内容で世論調査が行われたのですが、その第一位に日本が挙げられました。因みに、2位がドイツ、3位がイギリスという結果でした。欧州圏の国ではなく、日本が1位に挙げられたことは、セルビア・モンテネグロ国民の日本への期待がいかに大きいかが、お分かりいただけると思います。
日本の皆様にとっては、セルビア・モンテネグロという国のイメージは必ずしもはっきりとしたものではないかもしれません。しかし、私たちの国にはたくさんの温泉があったり、おいしい果物があったりと、魅力的な面がたくさんあります。日本の皆様にとっては、なかなか簡単に行くことのできる国ではないかもしれませんが、是非機会があれば、お越しください。
インタビューを終えて・・・
投信営業部 浦田 歩
セルビア・モンテネグロはロシアと自由貿易協定を結んでいる数少ない国であることや、旧ユーゴ時代より西欧企業との良い関係を維持してなど、他の東欧諸国とは異なる独自の優位性を持っている新成長国の一角です。
(このインタビューは2006年2月7日に取材したものです。)
毎回、こちらのコーナーでは、各国の料理などを紹介しています。しかし、今回お世話になったタシッチさんに伺ったところ、残念ながら日本にはセルビア・モンテネグロ料理の店はないとのことでした。ただ、本国では、南の地域は隣国のギリシャ料理と共通点が多く、北の地域ではハンガリー料理との共通点が多いとのことでした。様々な国と国境を接しているセルビア・モンテネグロならではですね。
また、セルビア・モンテネグロでは非常に多くの種類のミネラル・ウォーターがあり、「水のバー」のようなものがあるそうです。日本でもいろいろな国の水を集めたお店がありますが、セルビアでは自国の水だけでもバーができるほどの種類があるそうで、タシッチさんによると、日本で売られているミネラル・ウォーターより断然美味しいとのことです。

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