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- 首都:
- キエフ
- GNI:
- 713.8億ドル(2005年)
- 経済成長率:
- 2.4%(2005年)
- 通貨:
- フリヴニャ
- 面積:
- 60万3,700平方キロ
(日本の約1.6倍) - 人口:
- 4,711万人
- 言語:
- 公用語はウクライナ語
- 国の花:
- ヒマワリ
出所:外務省
ウクライナはヨーロッパでロシアに次ぐ面積を誇り、巨大経済圏のEU(欧州連合)とロシアの中間に位置する立地条件から、ヨーロッパ経済及び周辺諸国のパワー・バランスに与える影響が大きく、東欧諸国の中で重要度の高い国の一つです。年初には、ロシアによる天然ガス・パイプラインによるウクライナへの供給停止がメディアで大々的に取り上げられ、欧州とロシアの間で揺れるウクライナの現状がクローズアップされました。しかし、高度な宇宙・工業技術力、欧州諸国全体の食料を供給できる肥沃な大地を有し、WTO加盟が目前で市場経済化が進んでいるウクライナは、BRICs4カ国に次ぐ強力新成長国の一角と考えられます。
ウクライナ大使館は六本木ヒルズから徒歩10分、西麻布の高級住宅街の一角に佇んでいます。大使館の近所には日本人有名デザイナー ヨウジ・ヤマモト氏のアトリエも所在しております。
今回お話を伺ったのは、在日ウクライナ大使館の通商貿易代表のシジャチェンコ・ヴァディムさん(写真)です。シジャチェンコさんはウクライナのオレンジ革命直後の2005年1月末に来日され、大使館内の通商貿易部の設立に携わりました。現在は国際協力銀行(JBIC)、日本経済団体連合会(経団連)、ロシア東欧貿易会(ROTOBO)等の機関と連携して、主に日本企業によるウクライナへの投資促進を主要業務の一つとされています。祖国ウクライナをこよなく愛する方で、ウクライナの素晴らしさを日本で広めようと、このプロジェクトにもとても熱心にご協力頂きました。
ウクライナは1991年8月に社会主義のソ連から約70年ぶりに独立しました。独立の際、国民投票が行われ、投票者の9割以上の圧倒的多数が独立を支持し、ソ連構成国の中でいち早く独立に踏み出しました。その後、構成国が次々と独立に踏み切り、ウクライナの独立がソ連崩壊の契機となったのです。また皆様の記憶にも新しいかと思いますが、2004年には「オレンジ革命」(※)が起こりました。親欧米派のヴィクトル・ユーシェンコが新大統領として当選したことにより、ウクライナはポーランドやハンガリーなどすでにEU加盟を果たした旧ソ連圏国家のように、将来的にはヨーロッパ連合(EU)の枠組みの中に加わることを決断した事を意味します。EU加盟は2010年〜2012年を予定していますが、ウクライナ政府は加盟時期は早まると考えています。
(※)「オレンジ革命」
2004年のウクライナ大統領選挙で起こったデモ運動。親ロシア派のヤヌコヴィッチと親欧米派のユーシェンコの激しい一騎打ちとなり、当初ヤヌコヴィッチが当選したが、不正行為が行われたとユーシェンコ陣営から不正の解明と再選挙を求めて首都キエフを中心に大々的なデモ運動(写真左)が起こりました。オレンジをシンボルカラーとして世界中にメディアを通じて世界各国に報道されたことから「オレンジ革命」と呼ばれました。シジャチェンコさんもこのデモに参加しました。
ウクライナはユーシェンコ大統領の指揮のもと、欧米型の市場型経済国に生まれ変わりつつあります。今年の最大の目標はWTO(世界貿易機関)への加盟です。昨年7月には日本の小泉総理はウクライナのユーシェンコ大統領と首脳会談を行い、WTO二国間文書*1への署名が行われました。
これによりウクライナはWTO加盟に向け一歩前進し、2006年中には加盟を果たそうとしています。関税引下げにより、より一層世界経済への融合が期待されており、真の市場経済国への道のりを歩んでいます。
*1ウクライナがWTOに加盟するには全ての加盟国(05年3月時点で148カ国)からの合意が必要となります。経済大国の日本の合意は加盟に向け大きな前進と考えられます。
新年には、世界最大の天然ガス埋蔵量を誇るロシアがウクライナへ天然ガスの供給を停止した事件が大々的に報道されました。ウクライナはエネルギーの4割を天然ガスに依存しておりその3割をロシアから輸入しています。またドイツやイタリアなどEU加盟国もロシアへの天然ガス依存度が高く(右図)、その大半はウクライナを通るパイプラインを通じて輸出されているため、欧州全体にも大きな影響を与えています。
ウクライナの主要産業の1つが化学工業なのですが、今回の事件で天然ガス価格が急騰してしまったことにより国際的競争力がかなり弱まってしまいました。今後は三井化学や住友化学のようなコスト効率の高い日本企業にウクライナの化学工業会社への出資を促し、国際的競争力を高めていきたいと考えております。
ロシアによるウクライナへの天然ガスの一時的な供給停止」
ウクライナはポーランドやルーマニアなどのEU諸国とロシアの中間に位置しているため(地図下)、その立地条件からロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプラインが複数通っています。今回の出来事は、ウクライナで親欧米政権が発足したことを踏まえ、ロシアが天然ガスの供給価格を値上げしました(従来の優遇価格の千立方メートル当り50ドルから、5倍近い値上げ)。これをウクライナが拒否したため、供給が一時的に停止したことが発端で、EU向けの輸出にも影響が大きく出ています。これがきっかけでウクライナ内閣の総辞職も起こり、ウクライナに対するロシアの影響力の強さを物語る出来事でもありました。

ウクライナはスポーツの世界に優秀な選手を送り出しています。例えば、棒高跳びの世界記録保持者セルゲイ・ブブカ選手やサッカーではイタリアのセリエAで活躍し1999年に得点王にも輝いているシェフチェンコ選手はウクライナの出身です。また、映画「バイオハザード」や「フィフス・エレメント」のヒロイン役として出演したミラ・ジョヴォヴィッチもウクライナ生まれで世界的にも有名です。また、あまり知られていませんが、アメリカのヘリコプター製造会社シコルスキー社の創業者であり近代的なヘリコプターの基礎を築いたイーゴリ・シコールスキイは、ウクライナの出身です。

私は日本は非常に安全な国であり、そうした国に住んでいる日本の方々は心が温かく、親切だというイメージを持っています。私は、日本に赴任してまだ1年ですが、箱根、鎌倉、葉山といった日本の名所をいくつか訪れた時に、その美しさに感動を覚えました。日本の皆様にとっては、ウクライナという国についてはまだまだ知らない部分も多いかと思いますが、いくつかの日本企業は既にウクライナに投資して頂いてます。今後、そうした交流が進む中で、日本の皆様にも私たちの国にぜひお越し頂きたいと思っております。

インタビューを終えて・・・
今回のインタビューを通じてウクライナがヨーロッパ全土に与える影響が大きいことや、今後の力強い発展が期待できる新成長国の一角であることを直接実感することができました。
(このインタビューは2006年1月24日に取材したものです。)
シジャチェンコさんによると、ロシア料理として知られている「ボルシチ(野菜や肉が入ったスープ)」が実はウクライナ生まれの料理であり、ウクライナ、ベラルーシ共和国(ウクライナの北に位置する国)、ロシアの料理は非常に似ていることが分かりました。そこで、今回は東京六本木にあるベラルーシ料理専門のレストラン「ミンスク」を訪れました。ここでは、ボルシチはもちろんのこと、ウクライナ料理であるキエフカツレツに出会うことができました。キエフとはウクライナの首都のことです。お店の人の話でも、ベラルーシとウクライナ料理には共通点が多く、ベラルーシ生まれの料理ドラニキ(ジャガイモをすりつぶしたものを焼き揚げた料理)はウクライナでも大人気だそうです。一方で、同じボルシチでもウクライナでは、野菜としてビーツ(赤カブ)が入っていることが多いようですが、ベラルーシではパプリカが入っているといったように微妙な違いもあるようです。今回頂いた料理は美味しく、家庭的な優しい味といった印象でした。皆様も是非一度、ご賞味ください。



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